【内山心結さんインタビュー】試験を越えた先に広がる景色~異色の女性診断士の奮闘と挑戦~

【内山心結さんインタビュー】試験を越えた先に広がる景色~異色の女性診断士の奮闘と挑戦~

【第2回 これが私の試験突破法】
過去の記事:第1回

【内山心結さんインタビュー】

ロールモデルとの出会いにより中小企業診断士を目指すことを決意した内山さん。しかし、その道のりは決して平たんではない。得意不得意がある中、彼女はどのように学習を進め、モチベーションを維持し、見事合格を勝ち取ったのだろうか。第2回は、自らを律する環境づくりや試験から得た教訓など、合格までの奮闘記を紐解く。

試験への挑戦とその道のり

中小企業診断士を目指す決意をしたのは2022年の夏頃だ。そして、2024年度の2次試験に合格し、現在は診断士登録も済ませている。1次試験は1回で突破したものの、2次試験は2回の挑戦での合格となった。複数年にわたる受験はモチベーション維持が鍵となる。

モチベーションと「サボれない環境」づくり

内山さんのモチベーション戦略はユニークだ。周囲に受験を公言し応援してもらうことで「落ちたらかっこ悪い」という環境に自らを追い込んだ。さらに、毎日の学習時間を記録し、週に一度SNSアカウントで報告した。これは第三者に開示することで「サボれない環境」を作るためだ。

初年度の2次試験は不合格に終わった。これまで試験に落ちた経験があまりなかった内山さんにはショックが大きかったという。その影響で2年目は夏前まで勉強に身が入らなかった。しかし、「もう2度と1次試験の勉強はしたくない」という気持ちや、趣味の歌舞伎鑑賞を削る生活は早く終わらせたい、という思いがモチベーションになったと語る。

1次試験対策:苦手科目の克服戦略

1次試験対策は資格学校のカリキュラムにそって進めた。特に苦手だったのは経営法務だった。暗記が苦手な内山さんは直前まで苦労したという。そこで彼女は集中戦略をとった。テキストを分析し、重要度の高いAランクとBランクに絞った独自ノートを作成したのだ。この戦略が見事に功を奏し、本番の点数は経営法務が一番高かった。「努力が実った」と感じる結果となった。

2次試験対策:「書く能力」の重要性に気づく

2次試験は「書く能力」が非常に重要だ。内山さんは書くこと自体は苦手ではなかったが、初年度の不合格から試験形式への疑念が残った状態であった。転機が訪れたのは2年目初夏のこと。補助金申請を行う先生と話す中で、中小企業診断士の「書く能力」の重要性を再認識したのだ。先生の紹介で補助金申請の仕事を実際に経験し、「こんなに書く仕事があるんだ。書く能力が大事なんだ」と肌で感じた。この経験が2次試験へのマインドを変えた。求められている能力が理解できたことで攻略の道筋が見えたという。特に苦手な事例Ⅱについては、作問者の書籍をなんと3冊も読み込み、その思考を自分にインストールした。これは自身の経験が大企業中心で中小企業の考え方が感覚的につかめていないと考えたからだ。

これだけは伝えたい!受験の教訓「過去問」と「時事」

内山さんが自身の受験経験から得た、これから中小企業診断士に挑む人々に伝えたい教訓は2つある。

1つは過去問を徹底的に解くことだ。初年度の2次試験は過去問をほとんど解かなかった。当時を振り返って「このヤバさが身にしみています」と語るほど、不合格の決定的な要因だったと痛感している。2年目は過去問を中心に勉強したことで、「こういう解答が好まれるんだ」という正しい道筋を知ることができた。過去問こそが何より大事だと力説する。

もう1つは時事の把握だ。試験問題は意外と時事を反映している。初年度で野球の話題が出た際、道具の形状や使い方がまったくわからず料金プランが考えられなかった苦い経験がある。しかし、大谷翔平選手の活躍など当時のニュースに興味を持っていれば、解答できた可能性があったと分析する。実際に合格した2024年度の事例でも、世の中の流れをふまえた出題が見られた。日頃からニュースなどにアンテナを張ることが重要だと強調する。

これらの教訓は、試験を突破した内山さんだからこそ語れる、重いメッセージだ。








岸田誠史

岸田誠史 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1989年生まれ、大阪府出身、東京都在住。大学院修士修了後、大手メーカーのエレクトロニクス部門にて電子部材の事業管理や投資管理に従事。予算管理や予実差分析などを7年間担当した。2025年現在は経営企画部門にて経営管理を従事し、予実管理や中期経営計画策定、IR対応を担当。趣味はゲームや読書のほか、筋トレも開始し、新たな分野の開拓も進めている。2025年度中小企業診断士登録。

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