【内山心結さんインタビュー】試験を越えた先に広がる景色~異色の女性診断士の奮闘と挑戦~

【内山心結さんインタビュー】試験を越えた先に広がる景色~異色の女性診断士の奮闘と挑戦~

【第3回 「広がる世界」と未来へのビジョン】
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【内山心結さんインタビュー】

診断士試験を突破し新たな扉を開いた内山さん。その経験は仕事でどのように活かされ、中小企業診断士としてどんな活動をスタートさせているのだろうか。第3回では、企業内での活躍、外部への挑戦、そして彼女のキャリアパスの根底にある情熱と、将来に向けた壮大なビジョンに迫る。資格獲得によって「広がる世界」を、彼女の言葉から感じ取ってほしい。

実務で活きる中小企業診断士の力

診断士資格の取得はIT企業の業務に早速活きている。特に、グローバル企業の大規模基盤統合プロジェクトに任命されたのは、診断士資格が少なからず影響したと感じている。

特に役立っているのが財務会計だ。「勉強しておいてよかった」と強く感じている。担当しているプロジェクトでは、クライアント企業のROIC(投下資本利益率)を算出し、その要因を分析するシステム構築に関わっている。中小企業診断士の勉強をしていなければ、「ROIC」という言葉の意味すらわからず調べることから始めていただろう。しかし、学習によって知識の裏付けと理解に基づいたアドバイスができるようになった。これは非常に大きな変化だ。

プロとしての活動とビジョン

内山さんは企業内だけでなく外部でも活動を開始している。すでに先生からの紹介で補助金申請業務を数件経験し、新たな挑戦として研修講師にも意欲を見せている。診断士業界の女性比率の低さをふまえ、自身の希少性を活かして女性の活躍推進やエンパワーメントの研修講師になることが目標だ。さらに、将来の目標として内山さんが情熱を傾けているのは「伝統芸能の顧客拡大」だ。当面は企業内で経験を積みながら副業として診断士活動を行うと語る。まずは「できること」から価値を提供し、経験を積み「やりたいこと」とのギャップを埋め、いずれは「やりたいこと」にシフトしていきたいと考えているのだ。

ビジョンへとつながる思いの源泉

内山さんの将来の目標は、実は趣味である「歌舞伎鑑賞」と深く結びついている。長年歌舞伎を鑑賞する中で、伝統芸能が抱える課題、特に顧客層の高齢化や情報発信の不足を肌で感じているという。これが「伝統芸能の顧客拡大や海外への情報発信を支援したい」という中小企業診断士としての目標につながっている。この目標は彼女にとって診断士活動の大きな柱となりつつある。

歌舞伎が初めてという人には、現代作品をアレンジした「新作歌舞伎」を内山さんはすすめる。古典歌舞伎は難解な面もあるが、新作歌舞伎はセリフもわかりやすく見やすいという。特に印象に残っているのは「ファイナルファンタジーX」で、原作の世界観を五感で楽しめると熱く語る。男性俳優が女性役を演じる歌舞伎において、女性主人公が「めちゃくちゃかわいい」と感じたことも語ってくれた。この趣味からくる熱量が文化振興に対する思いの源泉となっている。

「知識」と「人脈」将来の目標に向けた土台構築

壮大な目標の実現に向けて内山さんはすでに準備を行っている。伝統芸能支援に関わるうえで必要な知識を得るため、事業承継やSNSマーケティングなどの勉強を進めている。また、情報収集と人脈形成のため、老舗企業研究会や政策研究会など、複数の研究会に参加しつながりを築いている。資格学校や勉強用SNSアカウントを通じても人脈が広がったと語る。中小企業診断士には人とのつながりが非常に重要であることを内山さんは理解している。合格前から着実に準備を進めていることがその証拠だ。

「広がる世界へ」中小企業診断士を目指すあなたへのメッセージ

中小企業診断士を目指す人々へ内山さんはこうエールを送る。「なったからこそ見える世界、広がる世界が確実にあるので、そこを楽しみに最後までやりきってほしいです」そう語る内山さんの瞳には揺るがぬ確信が満ちていた。内山さんの言葉からは、資格獲得が単なるキャリアアップではなく、自身の世界を広げ新たな未来を切り開く転機となる可能性が伝わってくる。








岸田誠史

岸田誠史 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1989年生まれ、大阪府出身、東京都在住。大学院修士修了後、大手メーカーのエレクトロニクス部門にて電子部材の事業管理や投資管理に従事。予算管理や予実差分析などを7年間担当した。2025年現在は経営企画部門にて経営管理を従事し、予実管理や中期経営計画策定、IR対応を担当。趣味はゲームや読書のほか、筋トレも開始し、新たな分野の開拓も進めている。2025年度中小企業診断士登録。

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