【石川達也さんインタビュー】「一呼吸」置きながら努力を続けた8年間。試行錯誤の末、導き出した合格戦略とは

【石川達也さんインタビュー】「一呼吸」置きながら努力を続けた8年間。試行錯誤の末、導き出した合格戦略とは

【第1回 中小企業と歩む。大企業からの転職で見つけた使命】

商社で経理をはじめ多岐にわたる業務を手掛ける、石川達也さん。中小企業診断士を目指す中、多忙により勉強に集中できない時期もあったが、8年間の努力の末に無事合格。大手IT企業から6回の転職を経て中小企業に入社し、社長に寄り添いながら挑戦の日々を送っている。 第1回は現在の仕事内容や転職を繰り返した背景、そして継続的な成長への取り組みについて詳しく伺った。

現在の仕事内容

石川さんは現在、社員20名ほどの小規模ながらも多様な事業を展開する商社に勤務し、経理を中心に幅広い業務を担当している。彼の一日は多忙を極め、社長からの突発的な特命に応じながら商品の販売集計や利益の計算に至るまで、様々なタスクをこなしている。加えて、中小企業ならではの多種多様な業務も彼の仕事範囲に含まれる。具体的には、書類の整理や知的財産の管理、法令遵守に至るまで、彼の手は絶え間なく動いている。

石川さんの勤務形態は元々は週1日の勤務の予定だったが、突然退職者が続出したため、社長から週5日のフル出勤を要請された。当初はこの変更に反対したが、「会社の運営が滞らないように」との考えから、最終的には週4日の勤務に同意している。この姿勢からは柔軟で責任感が強い人柄が窺える。

転職と挑戦の軌跡

石川さんは、6回の転職を経て、現在は中小企業で幅広い業務に携わっている。彼のキャリアの多様性は、異なる業界での経験と役割の変遷、そして中小企業診断士としての資格を活かす場を求めた探求から成り立っている。

初めての転職は大手外資系ITメーカーで法人営業に従事していた時、長時間労働に疑問を感じたことがきっかけとなった。上場IT企業へ移り、新天地ではクラウドサービスを立ち上げた。 その後、石川さんは中小企業診断士の資格を取得することとなるが、これは彼のキャリアにおいて重要な転機となった。中小企業に寄り添ったキャリアを追求することを決意し、より小規模な企業への飛び込みを決断したのだ。

しかし、新たな職場への移行を決めた際に困難に直面してしまう。既存の職場からの強い反対や怒りだ。職場で期待されていた役割を担うまでに石川さんを育成し、多くを成し遂げてきたにもかかわらず、彼が去るという決定を下したことが理解できなかったのだ。最終的には理解を得たが、個別の部屋で2時間半近く叱責を受けることとなった。

また、転職後も平坦な道のりではなかった。中小企業診断士として経営改善を期待され入社するも、保守的な社内文化との闘いに直面し、粘り強い説得で理解を得るなど挑戦の日々だ。 様々な困難に直面しながらも、彼が歩みを止めることはない。

成長に向けた取り組み

石川さんは、東京都の中小企業診断士協会から推薦を受けて大学院への道を歩み始めた。彼の大学院での学びは、組織論と人的資源管理が中心である。大学院へ進学するきっかけは、前職での経験からきている。前職の会社では、企業理念の重要性が強調され、朝礼での唱和などが日常的に行われていた。しかし、この理念が宗教的に受け止められ、退職者が出るなどの問題も発生していた。この経験が、組織論や人的資源管理への関心を高めることとなった。

彼は、「企業理念がどのように組織に浸透し、業績に影響を与えるかを科学的に理解したい」と語る。さらに、大学院での生活は彼にとって、多様な専門家とのネットワーキングの場でもある。クラスメートには社会保険労務士や留学生もおり、彼らとのディスカッションから得られる知見は石川さんにとって新たな発見が多い。今後も持続的に学び、成長を続けることを目指している。








三笠 じゅん

三笠 じゅん 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県出身で、現在は東京都在住。通信事業者に入社し、海外支店駐在後グローバル部門にて海外キャリアとの交渉や、法人向けサービス企画、フロント営業など幅広く従事。またプロジェクトリーダーとして、国際首脳会議での日本の魅力発信や、他多数の社内外横断プロジェクトを立ち上げ、推進。更なる自己研鑽のため2022年に中小企業診断士を取得。仕事と育児の両立を目指すワーキングマザー。

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