【前田久美子さんインタビュー】どこでも通用する人材になりたい!その思いでつかんだ中小企業診断士

【前田久美子さんインタビュー】どこでも通用する人材になりたい!その思いでつかんだ中小企業診断士

【第1回 中小企業診断士を目指すまで】

大手IT企業のマネージャーであり、3児の母でもある前田さんに、中小企業診断士資格を取得するまでの経緯と今後の活動への意欲をうかがった。第1回では、仕事に取り組むうえでの価値観と、中小企業診断士の資格取得を目指したきっかけを聞いた。

人を支えられる存在でありたい

「会社の仕事でも、困っている人を見つけたら助けてあげたいと思っています。最後の解決に至るまで、必ず導いていきたい」

穏やかな笑顔でそう話すのは、多忙ななか2年間の受験期間を乗り越えて、中小企業診断士試験に合格した前田さんだ。彼女は、大手IT企業の経営企画部で、二つのグループをまとめるマネージャーである。

会社の根幹を支える立場で前田さん心がけているのは、困っている人を支えられる存在でいたいということだ。大きく成長した会社には縦割り組織が必要であり、各部署が守るべき領域や専門性が生まれてくる。それゆえ、経験のない新たな課題に取り組もうとする人が他部署に協力を求めても、この話はうちの仕事じゃないと断られ、たらいまわしにされてしまうことがある。

「そんな時は、経営企画部の自分が支えられる存在でありたいと思います。課題解決を支援する仕事という点では、中小企業診断士と同じですね」前田さんは、迷いなくそう話す。

彼女は、転職が盛んな業界の中では社歴が長く、今の会社で様々な業務を経験してきたという。現在は経営会議の事務局などのガバナンス管理や、決裁管理システムの運営を行っているが、過去には管理会計を取りまとめたり、大きなシステム導入プロジェクトを任されたこともあった。どれも自ら志願したわけではないが、上司から期待をかけられ、様々な重要な業務を任されてきた。

未知の仕事にやりがい

前田さんは、自身を好奇心が強い性格と評する。取材日の翌日にも、お米がおいしそうだからという理由で、家族で新潟まで旅行に行くのだという。

仕事で法的な知識が必要になれば、その法律まで立ち返って調べるなど、自身の知識を高めることにも意欲的である。仕事上の必要性もあるが、新規性の高いサービスや世の中の流行を追うことにも関心が高いという。

現在の経営企画部での仕事を面白いと感じるのも、自身の好奇心を刺激されるからだ。

経営会議の事務局であればどのような議案が上がってくるかわからないし、決まりきったルーチンの仕事は少ない。絶対的な答えが無い中で、自分なりにロジックを組み立て、様々なアプローチで経営者や起案者の期待に応えていく、そんな仕事に魅力を感じるという。

マイペースでやろうと受験を決意

順風満帆なキャリアを築いてきたように見える前田さんだが、本人はその反面、焦りを感じていたという。

「中途で転職してきた同僚が、自分が知らなかった視点やアイデアから新たな企画を提案し、実現する姿をみてきました。そんな中、自分は社外の環境変化を知らないゆでガエルになってしまうのではないかと心配になり、今の会社以外でも通用する人材になりたいと思うようになりました」

そう考えた前田さんは、経営の知識を身につけることが自分の成長につながるのではと考え、試しにMBAの単科コースを受講する。前田さんにとってそこでの学びは新鮮であり、大きな刺激を受けた。学びを進めるうちに、経営を学ぶことへの関心がさらに高まっていった。

しかし、当時の前田さんは幼い3児を育てる母である。多忙な業務と育児に加え、長い時間を割かねばならないMBAに挑戦するのは、どうしても躊躇してしまう。

そんな中、同じ経営の知識を学ぶことができる中小企業診断士という資格があることを知った。これであれば自分のペースで学ぶことができるのではないか。前田さんはそう考え、中小企業診断士試験の受験を決意したのだ。








森下 剛 取材の匠メンバー、中小企業診断士
京都府生まれ。大学院修士課程修了後、製薬会社において医薬品の研究開発業務に従事。途中、がん患者の支援を目的とした新規事業開発に取り組む。2021年経営学修士(MBA)。2023年中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会中央支部に所属。

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