【青柳紗千子さんインタビュー】可能性を最大化する武器を手に、人生をデザインし未来を拓く

【青柳紗千子さんインタビュー】可能性を最大化する武器を手に、人生をデザインし未来を拓く

【第1回 手にした武器で拓いた未来】

2024年4月から独立診断士として開業し、同時に都内にある創業支援施設で、創業支援活動に従事し始めた青柳紗千子さん。これまで、アパレル業界で営業職、区役所で男女共同参画分野の職員として過ごした経歴を持つ。何度かの診断士試験を経て、中小企業診断士試験の合格を勝ち取った青柳さん。第1回では、青柳さんの現在と、中小企業診断士の資格取得を目指し学習を開始するまでの経緯を辿っていく。

中小企業診断士にのみ許されたポスト

「このインキュベーションマネージャーというのは、中小企業診断士でなければ務められないポストです」と笑顔で語る。中小企業診断士として独立開業した青柳さんは、都内の創業支援センターでインキュベーションマネージャーとして活躍している。中小企業診断士の資格を持っていることが条件になっている仕事は割と多く、この仕事もその一つであると話す。この施設は主に女性起業家の支援を目的としており、かつてアパレル業界でOEM生産や輸入卸の仕事に携わり、区役所での職務経験も持つ青柳さんの専門知識と経験が大いに生かされている。彼女の仕事は多岐にわたり、創業相談の対応からイベントの企画・運営までを手掛けている。また、施設内にはコワーキングスペースやテストマーケティングが可能なチャレンジショップといった施設も設けられており、青柳さんはそこでのアドバイザリー業務も務めている。

仕事中心の生活だった彼女が感じた生き方への疑問

青柳さんはかつて、仕事を中心とした生活を送っていた。一生懸命に仕事に取り組み、プライベートを犠牲にして、顧客を第一に仕事に取り組む日々を過ごしていた。しかし、ある時、周囲の人々の自由な行動を見て、自身の働き方に疑問を感じ始めた。「私ももっと自分の好きなように生きようと思った」と彼女は語り、これまでの生活が本当に自分の望むものなのか、考えるようになったという。そして、自分の好きなことをしようと思うようになった。

「好き」をテーマに決意した診断士資格の取得

青柳さんは仕事を心から愛していたが、自分の価値観と向き合う必要があると感じた。この疑問が彼女の人生の新たな道を切り開くきっかけとなった。彼女は、自分が本当に情熱を感じることに時間を使いたいと考え、自身の「好き」なこと、つまり「勉強」に情熱を注ぐことを決意した。学問に関心を持ち、知識を深めることに喜びを感じていた彼女は、「子供の頃から勉強をすることが大好きだった」と話す。彼女にとって、中小企業診断士という資格は、新たな学びへの扉を開くものであった。また、中小企業診断士の資格は、彼女にとってただの自己研鑽の手段ではなかった。当時彼女が勤めていた企業は中小企業であり、その取引先の多くが中小零細企業であった。つまり、彼女にとって経営について学ぶことは、自社と業界に貢献する理想的な方法であった。資格取得の決意を固めた青柳さんは、通信教育の資料を取り寄せ、自らの誕生日を機に、それを自分へのプレゼントとして購入した。

通信教育を選択したワケ

青柳さんが中小企業診断士の資格取得を目指す過程で通信教育を選択した理由は、彼女の生活環境と学びたいという強い意志に基づいている。彼女は家庭と仕事を両立させながら学び続ける必要があった。その当時の状況について「子供がまだ小さく、夫は子供が起きる前に出勤して、もう寝た後に帰宅するという状態」と語り、通学する時間を確保することは現実的ではなかった。しかし、完全に独学で資格取得を目指すのは難しいだろうと考えていた彼女にとって、自分のペースで学べる通信教育が最適な選択肢となったのである。

通信教育の最大のメリットは、時間と場所を選ばずに学習できる柔軟性にある。青柳さんは、家事や子育ての中の限られたチャンスにしか勉強時間を確保できなかったため、これは大きな利点であった。青柳さんは通信教育の教材選びにおいても、自分に合ったスタイルを選ぶことができた。「私、子供の頃にずっと進研ゼミをやっていて、高校と大学受験も、塾や予備校にはほとんど行かずに通信教育だけやっていた」と語り、進研ゼミのような「楽しいイラスト」があるかどうかも教材選びの基準だったと話した。このような形で、診断士試験に臨むための準備を着実に進めていった。








清水 一茂

清水 一茂 取材の匠メンバー、中小企業診断士
広島県福山市出身、東京都荒川区在住。SIerのシステム開発部門において、製造業向けシステムの要件定義から設計・開発および検証・導入業務をシステムエンジニア兼プロジェクトマネージャーの立場で従事。現在は独立診断士として、公的機関の窓口相談員や顧問として活動しており、今後はシステムエンジニア・プロジェクトマネージャーとしての業務も拡大する予定。趣味はコミュニティ参加やゲーム、心理学、街の散策など。

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