【畑山誉さんインタビュー】企業経営と製品開発をつなぐ~UXデザイナーの中小企業診断士への道

【畑山誉さんインタビュー】企業経営と製品開発をつなぐ~UXデザイナーの中小企業診断士への道

【第1回 製品開発から経営へ~現場から生まれた気づきや課題

【畑山誉さんインタビュー】

大手IT企業のUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナーである畑山誉(はたやまたかし)さんに、中小企業診断士資格を取得するまでの経緯と、ストレート合格を果たした勉強法、そして今後の抱負を聞いた。第1回は、開発現場で気づいた課題と、中小企業診断士を志した背景に迫る。

注目を集めるUXの最前線で

UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインとは、製品やサービスを利用するユーザーにとって、より良い体験を設計するための手法だ。利便性や操作のしやすさはもちろん、満足感のような感情面にも配慮し、心地よさを高めることを目指す。近年、注目を集めるこの分野の最前線で活躍するのが、畑山誉さんである。現在、大手IT企業に勤務し、UXデザイナーとして製品開発やマーケティングに関わっている。

ユーザーの声が届かない

そんな畑山さんがUXデザインを意識し始めたのは、自身が開発現場で感じたある違和感がきっかけだった。
社会人として最初のキャリアは、一般消費者向け製品を手がける電機メーカー。組み込みソフトウェア開発のプロジェクトマネージャーとして、主に海外市場向けの製品を担当していた。だがある日、現場でふとした違和感を抱いたという。

「海外ユーザーの声が、日本の開発現場にきちんと届いていないと感じたんです」

この気づきが後に畑山さんのキャリアを大きく変える原点となる。ユーザーの声を製品に反映させる仕組みをつくるにはどうすればよいか、その問いを抱えたまま、彼は社内で立ち上がった新組織のメンバーとなる。それは、ユーザーの体験に基づいて製品開発を試行する組織だった。そこで、ユーザーの行動や思考を調査・分析し、課題を特定、解決策を見出し、製品やサービスを設計するUXデザインの手法を本格的に学び始めた。

やりたいことができない葛藤

「ユーザーであるお客様が私たちの製品をどう使うか、使ったときにどう感じるか、その実態がしっかり開発現場に届く。UXデザインは役立つ」と畑山さんは強く感じた。そして新しい製品やマーケティング施策にUXデザインの手法を取り入れようと試みたが、所属していた組織は2年後に解散してしまった。

「今のままでは、やりたいことが思うように実現できない」

その思いを抱え、転職を決意する。

製品の価値をユーザーへ届けたい

畑山さんが転職先に選んだのは大手IT企業のデザイン部門。UXデザイナーとして製品開発やマーケティングの設計に携わり、まさに「ユーザーの体験」を軸に業務を進めることとなった。ユーザーの課題を見つけ、解決策をデザインする。製品が「使われてこそ意味がある」という畑山さんの思いに合致した。

しかし、この仕事を続ける中で畑山さんはある問題意識を抱えるようになった。

「いくら優れた製品を設計しても、それだけでは価値がユーザーに届かないことがある。その背景には、組織体制や戦略、マーケティング上の課題が存在しているのではないか、そんなふうに感じていました」

製品がどう企画・開発され、どう生産・流通し、どう届けられるか。その一連のプロセスや、企業がくだす意思決定の背景までを理解しなければ、本当の意味での価値提供にはつながらない。そう気づいた畑山さんが選んだのが、中小企業診断士という国家資格だった。

「自分の専門だけを見ていても、ユーザーには届かない。価値を届けるには、経営全体を理解する視点が必要なんです」。その問題意識が、中小企業診断士を目指す原動力となった。








菊池宏行

菊池宏行 取材の匠メンバー、中小企業診断士
新潟県出身、東京都在住。2025年中小企業診断士登録。地方銀行に32年間勤務し、法人営業、事務企画、有価証券運用責任者、支店長を経験。2025年に上京し、現在は都内のコンサルティング会社で中小企業の資金繰りや事業承継の支援に携わっている。証券アナリスト、FP1級、宅地建物取引主任者などの資格を保有。

拓け!中小企業診断士の扉~受験奮闘編~カテゴリの最新記事