【奥村泰宏さんインタビュー】活躍中の現役デザイナーが中小企業診断士になったわけ

【奥村泰宏さんインタビュー】活躍中の現役デザイナーが中小企業診断士になったわけ

【第3回 広がっていくフィールド】
過去の記事:第1回第2回

2年で見事、診断士試験合格を果たした奥村泰宏さん。最終回となる本記事では、デザイナーの強みを活かしながら、取引先の顧問へと抜擢されるまでのエピソード、そしてこれからの抱負について触れていく。

クライアント企業の取締役へ

時代は少しさかのぼる。診断士試験の勉強真っただ中の2022年12月、奥村さんは東京都主催のデザイナーとクライアントのマッチング大会に参加。このとき、運命の出会いを果たした。

現在、奥村さんが取締役を務める木工所だ。複数のデザイン会社が提案内容を競うプレゼンで、見事1位指名を勝ち取った奥村さんは、木工所とのコンサル契約を交わす。支援内容は商品開発。

週に1回訪問する契約だったが、木工所の内情を知れば知るほど、課題が商品開発力以外のところにあると気づいた。

3D CAD/CAMなど、本業に関する領域ではデジタル化が進んでいたものの、本業以外の経理処理などにExcelがうまく活用できておらず、事務作業が非効率な状態だったのだ。

「注文書や請求書の作成までやりましたよ(笑)」

クライアントが困っている姿をみると放っておけない性分の奥村さんは、本来の支援対象ではない内容でも快く支援し続けた。必然的に訪問頻度は週に1回から、2回、3回と増え、最後には毎日通うことに。そのタイミングで木工所の社長から、取締役就任の打診。当然のように奥村さんは快諾し、取締役として内部から経営改革にかかわることになった。目の前の課題が山積みで、将来を見据えた経営改革になかなか着手できない、というジレンマに悩みながらも充実した毎日を過ごしている。

経営視点からのデザイン活用

奥村さんには夢がある。デザイナーというものの価値をもっとあげていきたい、そしてそれを知る人をもっと増やしたい、というものだ。デザイナーという言葉の本質は課題解決だという。

「デザイナーの本来の仕事って、『あらゆることを検証したうえで正解を見つけていくプロセスを、クライアントに指導すること』なんです。その中のひとつとして、意匠などの見た目も効果的にしましょう、というものがある。何故か、見た目にかかわる部分だけがデザインと思われているようですね」

どうやら私たちがイメージしているデザインというのは、本来の意味の一部にしか過ぎないようだ。話を聞いているうちに、デザイナーと中小企業診断士が実は似ている部分が多いことに気づいた。

診断士試験がくれたもの

もともとデザイナーとして十分な実績を持っていた奥村さんに、改めて診断士試験の勉強を通じて得たものはあったのか尋ねてみた。

「本当に取ってよかったですよ。もともと国語が苦手だったのに、2次筆記試験の勉強を通じて、文章に対する取り組み方とかアウトプットの仕方が劇的に変わりましたから」

文章が得意になったおかげで仕事はもちろん、コミュニケーションの強化にもつながっているという。デザイナーとして仕事の幅も広がったようだ。

最後に、診断士試験受験生に向けたメッセージをいただいた。

「ストレートでも多年度でも、頑張っている方はやっぱり合格されていると思います。基礎力も含めて試験勉強から得られるものは多いので、諦めずに頑張って欲しいと思います」 自信に満ちた強い眼差しが印象的だった。








村上雅一

村上雅一 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1970年京都府生まれ、東京都目黒区在住。情報通信企業で30年間、BtoC、BtoB営業に従事。現在は子会社のITインフラ企業に出向し、代表取締役社長を務める。2024年2月に診断士試験合格した後は、「ふぞろいな合格答案エピソード17(同友館)」「企業診断『ふぞろい流合格ゼミ』(同友館)」など複数の執筆プロジェクトに参画。複数の企業に対するマーケティング支援なども行っている。取材の学校13期。

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