【第1回 セカンドキャリア】

エネルギー会社出身のH.Oさん。2022年1月の合格後は副業診断士として、2025年1月に定年退職を迎えてからは、独立診断士として活動している。第1回では、中小企業診断士を目指すにいたった経緯についてうかがった。
定年後のセカンドキャリア
2025年1月にそれまで勤務してきた会社を定年退職したH.Oさん。現在は中小企業診断士として独立し活動している。
人生100年時代と言われるように、60歳を過ぎても働く人たちは増えている。令和5年の総務省の労働力調査によると、70歳時点で就業している男性の割合は約4割と、定年後のセカンドキャリアを考えることは、すでに当たり前になってきている。
エネルギー系の企業に勤めていたH.Oさんもセカンドキャリアを検討し、さまざまな選択肢の中から中小企業診断士の資格を取り、独立することを選択した。
定年を迎えても嘱託としてそのまま会社に残ることもできた。それまでとは多少待遇が変わっても、安定はしていただろう。それでも、あえて中小企業診断士の資格を取って独立した理由は何だったのか。
まずは、H.Oさんが中小企業診断士を目指そうと思ったきっかけをきいてみた。
きっかけはコロナ
60歳の定年まであと数年となった時期に、世界はコロナ禍に突入した。H.Oさんの勤務先でも出勤が制限され在宅勤務となった。退勤後の夜の付き合いもなくなった。
そこでH.Oさんは、ぽっかり空いた時間を活用し、何か資格を目指してみようと思いたった。
その際、以前会社から派遣され、週末のビジネススクールに通ったことを思い出した。経営の勉強はそこで体験していたが、さらに学びを深めてみたいと思った。
当時勤めていた企業では、商品開発・品質管理・マーケティング企画・営業企画・法人営業などを一通り経験したが、さらに専門性をつける必要性も感じていた。
また、中小企業診断士を目指している知人がいたため、資格の存在自体も、経営の勉強ができることを知っていたことも、資格取得を目指す大きなきっかけだった。
選んだのは安定よりもやりがい
子供の頃から工作などのものづくりが好きだったため、工学部に進んだH.Oさん。
やはりものづくりに関しては、人一倍思い入れがある。
日本のものづくり企業に関しては、希望退職者募集・工場閉鎖など、元気のないニュースも多い。
自身の定年退職後は、経営改善や販路拡大、脱炭素商材などで、これまでの自分の経験を世の中に還元し、日本のものづくり企業を応援したいという気持ちがあった。
定年後もそのまま会社に残って嘱託として働くよりも、独立した方が自分の意思決定ができる範囲が広がり、自分のやりたいことができる面白い世界が広がっているのではないか。
そんな思いもあり、中小企業診断士として独立することを決意した。

岡崎 慈子 取材の匠メンバー、中小企業診断士
兵庫県在住。2024年中小企業診断士合格。情報サービス会社の広告制作部門で、制作の進捗管理、生産性分析、予実差分析などを経験。現在は税理士事務所に勤務する企業内診断士。
