【境田美穂さんインタビュー】 第二の人生の扉を拓く、シングルマザーの挑戦!

【境田美穂さんインタビュー】 第二の人生の扉を拓く、シングルマザーの挑戦!

【第1回 人生の新たな一歩として、経営者の羅針盤となる道を選択】

【境田美穂さんインタビュー】

2020年度に診断士試験合格を果たした境田美穂さん。第1回のインタビューでは、境田さんのこれまでのキャリアと診断士試験受験のきっかけ、そして1次試験合格に向けた戦略をうかがいました。

税理士事務所で感じた、日々の業務と経営者からの期待のジレンマ

――現在の仕事内容を教えてください。

2022年の7月から、コンサルティング会社に転職して働いています。その前は地元宮崎県のベンチャー企業の経営企画部で、経理責任者をしていました。IPOにチャレンジしていた企業だったので、決算業務だけでなく上場の申請資料作成や中期経営計画の策定も行っていました。また、私が入るまでは経理責任者がいなかったので、そもそもの経理体制の構築にも携わりました。

さらに、その前に勤めていた税理士事務所が、キャリアとしては18年ともっとも長いです。社内でもベテランとして扱われ、比較的規模の大きな企業や対応の難しい企業を中心に年間30社程度の法人を担当し、税務監査だけでなくM&Aや事業承継など、様々な業務を経験しました。

――税理士事務所が、ご自身の最初のキャリアですか?

実は私、大学を卒業して早々に結婚をしていて。当時は就職氷河期だったのと、専業主婦への憧れもあり、すぐに家庭に入りました。24歳で息子ができましたが、その後離婚したのをきっかけに、シングルマザーとして社会に出ました。

――中小企業診断士の受験理由を教えてください。

税理士事務所に勤めていた時から資格名はよく目にしていて、気になる存在でした。税理士事務所で経営者と対応していて感じたのは、「経営者は税務や決算業務だけではなく、経営の羅針盤となるアドバイスも求めている」ということです。その期待に応えられないジレンマから、より企業の利益を生む仕事をしたいと思い、中小企業診断士の勉強を始めました。また、大学進学を機に息子が私の元を離れ、子育てが一段落したことで「私は私の人生を歩いていいのかな」と思ったのもきっかけの一つです。

「6割の正解で合格」から逆算して導き出した受験戦略

――診断士試験の受験歴を教えてください。

初めて受験したのは2017年です。その年に経済学と財務・会計、2018年に運営管理、経営法務、中小企業政策、2019年に企業経営理論と情報システムに合格して、1次試験を通過しました。2次試験は2019年と2020年の2回受けています。

――1次試験は科目合格制度を駆使したということですね。

そうですね。ただ、最初から科目合格を意識していたというよりは、3年のうちに1次試験に合格できたらいいな、くらいの気持ちでした。適性があるのなら診断士試験が定めている期限内で受かるだろうし、3年でダメならすっぱり諦めようと思っていました。なので、2018年と2019年は保険受験はしませんでした。

――1次試験の勉強で使用していた教材を教えてください。

2017年は、TACのスピード問題集と過去問を使用していました。2018年は「中小企業診断士1次試験一発合格まとめシート(エイチス)」も購入し、3年目まで残った情報システムだけはどうしても苦手だったので、クレアールの教材を追加購入して勉強しました。

――予備校の利用は考えましたか?

いえ、予備校に通うという選択肢はもともとありませんでした。地方なのでまず予備校がないのと、予備校だと自分が理解している内容についても講義で時間を割かれるので、効率が悪いと思いました。

――独学で勉強するうえで、困ったことはありましたか?

自力では理解できない、咀嚼できない分野はありました。ただ、トータルで6割正解できればいい試験なので、そこは割り切っていましたね。

――100%の理解ではなく、あくまで試験合格をゴールに置いていたということですね。次のインタビューでは具体的な勉強方法についてお聞きします。

加茂 智

加茂 智 取材の匠メンバー、中小企業診断士

1987年生まれ、石川県出身。マーケティングリサーチ会社勤務。前職では広告企画・制作会社でマーケティングリサーチ業務とコピーライティング業務に従事。現在はマーケティングリサーチを本業とする傍ら、副業コピーライターとして活動中。2022年中小企業診断士登録。

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