【中路慎哉さんインタビュー】過去から現在の保有スキルを棚卸し、そして未来への準備につなげる

【中路慎哉さんインタビュー】過去から現在の保有スキルを棚卸し、そして未来への準備につなげる


【第1回 小規模組織の中での診断士知識の活用】

【中路慎哉さんインタビュー】

外資系企業でマーケティング担当として活躍している中路さん。第1回目では受験のきっかけや業務での中小企業診断士の知識を活用方法についてうかがいます。

外資系の企業で幅広く活躍

――現在の仕事を教えていただけますか?

今は外資系の企業で働いています。台湾系企業のIT部門を担う日本法人でマーケティングや営業を担当しています。以前はPCの周辺機器のメーカーでマーケティング部門の責任者をしていましたが、2年前に業務経験を買われて今の企業に転職してきました。代表者を含めて3名なので非常にコンパクトな組織ですが、海外で開発した製品やソリューションを日本国内に展開しています。他にもネットショップを運営していてそちらでも製品を販売しています。

主な製品は遠隔地でリアルタイムに画像共有する装置ですが、主な市場は教育と医療です。教育分野だと全国の小中学校に10年以上前にカメラが導入されて、かなり便利に使ってもらっています。われわれは後から市場に参入したので、競合が多くてなかなか難しい市場でもありますが、今はコロナの影響もあってオンラインミーティング等に対する引き合いも多く出ています。教育や医療以外の色々な業種も増えていて、建設業や化学メーカーなどの実験室を持っているような企業がリアルタイムに画像を送って、本社と研究所のような離れた環境でディスカッションするような使われかたです。

中小企業診断士を目指すきっかけは業務スキルの棚卸と家族からの刺激

――中小企業診断士を目指したきっかけを教えてください

2016年に準備を始めたのですが、受かるまでに6年間かかってしまいました。目指した理由は二つあるのですが、一つは企業人として経験を重ねて色々なスキルも身に付けてきたのを、中小企業診断士の知識体系で整理したいと考えました。もう一つは娘の大学受験に触発されました。娘にはずっと勉強を強いていたのですが、ある時、果たして自分は勉強しているのか、やっぱり勉強する姿勢を見せないといけないのではないかと考えたのもきっかけです。

中小企業診断士の知識体系をしっかり活用

――少数精鋭の組織で活躍されている感じですが、業務で中小企業診断士の知識を活用されることは多いのでしょうか?

そうですね、思ったよりも使える感じです。業務に直結していると思ったのは企業経営理論や運営管理の知識ですね。マーケティングでは戦略立案から実行に移るプロセスに様々なフレームワークやセオリーが非常に役に立っています。意外だったのは経営法務の知識ですね。
もっとも苦手な科目だったのですが、顧客との契約業務では法務部門のリーガルチェック前に契約書の怪しい部分に気付くことがあり、中小企業診断士で勉強した知識が生かせていると思いました。

中小企業診断士の受験を始めたのは前職の時だったのですが、以前の職場は結構大きな企業で、今は本当に小さな組織なのであらゆることを自分自身でやる必要があり、そう言った意味でも総合的な知識がすごく役に立っているように思います。当面は企業内診断士として知識を使い、今の会社の事業拡大に貢献できればいいなと思っています。その後、定年になって職を離れたときに、取得した資格とかスキルを使い、個人として事業を立ちあげて、コンサルティング業務ができたらいいなと思っています。今ちょっとまだ合格したばかりで、まだまだ修行中と言う感じです。


関 哲生

関 哲生 取材の匠メンバー、中小企業診断士
電機メーカーの企業内診断士。約30年研究開発に従事し、現在はその開発経験を生かしたコンサルティング活動を行っている。東京都中小企業診断士協会城南支部所属

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