【三宅裕子さんインタビュー】大好きな岡山に恩返しがしたい。人生100年、チャレンジは続く

【三宅裕子さんインタビュー】大好きな岡山に恩返しがしたい。人生100年、チャレンジは続く

【第1回 販売店支援の中で出会った中小企業診断士という道】

【三宅裕子さんインタビュー】

2020年度に診断士試験に合格した三宅裕子さん。岡山県の会社に30年以上勤務し、全国のお店づくりを支援しています。三宅さんが中小企業診断士を目指した理由をお聞きしました。

岡山から全国へ! 販売店支援に奔走する毎日

――現在のお仕事について教えてください。

岡山県の学生服メーカーに勤務しています。最初は商品開発を担当していましたが、ここ15年ほどはビジュアル・マーチャンダイジング(以下VMD)を習得して、全国各地にある直営店や卸先の販売店さんを支援しています。店舗の移転や開店に関わることが多いですね。コロナが流行してからも、年間150日は出張に行っています。

――出張が150日とはすごいですね。販売店支援について詳しく教えていただけますか?

お店の課題を見つけて一緒に解決策を考える「よろずコンサル」的な立ち位置ですね。「どうすれば付加価値の高いお店がつくれるか」という視点で、店舗設計、看板のデザイン、ホームページ制作など、お店づくり全般をサポートしています。

「電動ポンプをあげるのではなく、井戸の掘り方を教える」というのが私のポリシーです。支援先のほとんどはいわゆるパパママ・ストアで、様々な問題を抱えながらもどうすればいいかわからないと悩んでいます。高価な電動ポンプをもらっても、壊れてしまえば役にたたないですよね。それより、「ノウハウを学んで自分たちで水が汲めるようになりましょう」と言っています。

――自分たちの力で持続していけるように、ということですね。やりがいは何でしょうか。

やはり一番嬉しいのは、支援したお店の売上があがった時です。お店のリニューアルの効果が見えると達成感がありますし、それを販売店さんと共に喜び合えるのが嬉しいですね。また、それぞれの目的にあわせて売場づくりだけでなく接客、SNS運用などのノウハウをお伝えしたり、販売企画を一緒に考えたりすること、それ自体が楽しいです。

偶然出会った女性診断士たちの活躍

――すでに経営コンサルタントのようなお仕事をされている三宅さんですが、中小企業診断士を目指されたきっかけを教えてください。

勤務先の会社には資格取得奨励金制度があり、中小企業診断士はもっとも難しい「難易度5」、奨励金30万円がもらえる資格として、随分前から知ってはいました。
「すごいなあ、誰がとるんだろう」と(笑)自分にとって身近な資格ではありませんでした。

一つのきっかけは、2008年頃ですね。外部講師の方を招いたセミナーを開催しまして、そこでチラシ作りの先生としてお願いした女性が中小企業診断士でした。その翌年招いた接客の先生も、女性診断士。その後また別の場所でも、女性診断士に会う機会がありました。

――偶然、中小企業診断士との出会いが続いたんですね。しかも女性ばかり!

そうなんです。不思議ですよね。そうして出会った人たちが皆さんとても面白い方だったので、中小企業診断士に興味を持ちました。それから、VMDの仲間たちの影響もあります。互いの情報交換の場で、東京や福岡のVMD仲間が専門家派遣で岡山に支援に来ていることを知りました。それを聞いて「岡山には私がいるのに!」って思ったんですよね。私も専門家として岡山に貢献したいと強く思いました。

また、本業で各地をまわっていると地方の小売店のおかれている状況の厳しさを痛感します。特に後継者問題は深刻ですし、事業承継しても今まで通りのやり方では経営が成り立たなくなるお店もある。日々店舗支援に取り組みながら、お店を綺麗にするだけではなくて、もっと経営のことにまで踏み込んでいきたいと思うようになりました。そこで、体系的に経営について学ぶなら中小企業診断士なのかな、と。それまで自分が感じてきたことが、全部つながったんです。




藤井 亜子

藤井 亜子 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1995年、長野県安曇野市生まれ。京都市立芸術大学美術学部デザイン科中退。長男を出産した後、産業能率大学の通信教育課程で経営学の基礎を学ぶ。2021年、さらなるステップアップのため中小企業診断士試験に挑戦。2022年6月、中小企業診断士登録。デザイナー兼中小企業診断士として地元安曇野で開業し、日々試行錯誤しながら活動中。

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