【D・Sさんインタビュー】経営者に寄り添える弁護士になるために―ダブルライセンスで個性を出す―

【D・Sさんインタビュー】経営者に寄り添える弁護士になるために―ダブルライセンスで個性を出す―

【第1回 “普通の受験生”を目指して】

企業法務を専門とする法律事務所で弁護士として勤務するD・Sさん。1次試験は“普通の受験生”になることで突破しました。第1回目では受験勉強のきっかけや1次試験合格のコツをうかがいます。

ダブルライセンスで個性を出す

――司法試験を受験した年に1次試験を受験されています。中小企業診断士の試験勉強を始めたのはいつ頃でしたか。

2020年4月です。きっかけは翌月に控えていた司法試験が8月へ延期されたことでした。翌月には司法試験が終わる!と思っていた矢先だったので、試験に対する気持ちが燃え尽き気味になり、勉強が捗らなくなってしまって。そこで、気分転換と時間を有効に使いたいと思ったことから、以前より気になっていた診断士試験の勉強をしてみようと思いました。科目合格を狙いに行き、1年目・2年目ともに3科目ずつ受験しています(※経営法務は司法試験合格者のため免除)。

――中小企業診断士が気になっていたのはなぜですか。

弁護士は司法改革の影響で年々人口が増加しているため、差別化を図るために専門性や個性が大切になってきています。そこでまず思いついたのが、ダブルライセンスを取ることでした。経営に関する資格が良いな、と思って調べていたところ、中小企業診断士にたどりつきました。

合格者がやっていることを最短でやる

――勉強は1次試験・2次試験ともに独学ということで、どうして独学にしたのですか。

最初は通信教育を検討していました。ただ、お金をかけて診断士試験の勉強に本気になりすぎ、逆に司法試験が不合格になってしまったらダメだなと。本末転倒にならないよう、受かればいいな、という気持ちで始めるため独学を選びました。

――科目合格を前提とした受験にあたり、1年目に受験する科目はどうやって選びましたか。

1年目は司法試験の気分転換を兼ねていたので、自分が興味を持てそうな科目を選びました。反対に言うと、書店でテキストを見て「うわ!興味なさそう!」と思った科目が残りました(笑)。今振り返ると、2次筆記試験との関連性を考えて科目選びをすべきだったと思います。

――受験勉強の際に心がけていたことがあれば教えてください。

僕の勉強は“普通の受験生”になることをとにかく意識していて。普通というのは、得意を伸ばすのではなく、「苦手を潰して」「合格者が覚えているところを覚えて」「合格者平均点を取る」、という意味です。とにかく、合格者がやっていることを最短でやるというのをずっと意識していました。

――“普通の受験生”になるため、教材を選ぶ際に工夫したことはありますか。

検索して一番初めに出てくるものを購入しました。一番初めに出てくるということは“普通の受験生”が多く選んでいることにもなりますよね。あとは教材選びにこだわっている時間があるなら勉強時間に充てたい、とも思っていました。

気づいたら覚えていた、が理想形

――1次試験の知識はどのようにインプットしましたか。

まずテキストを読みました。テキストを読む際に心がけていたのは、一度読んでわからなくても立ち止まらずに読み進めることでした。立ち止まるくらい難しいことは解けなくても受かるかもしれないな、とあえて深く考えないようにしていました。

――1次試験の過去問はどのタイミングで解き始めましたか。

一度テキストを読んで頭を整理したら、もう過去問に着手していたので、勉強開始5日目くらいには解き始めていた気がします。過去問を回すスピードも早かったので、試験前には5周くらいできていました。

――過去問を回すスピードを早くしていたのはなぜですか。

僕自身、覚えようと思ってノートに10回書くよりは、何度も振り返ってその都度思い出す、という方が記憶に残るタイプです。気づいたら覚えていた、というのが理想だと思って勉強していました。



依田 彩那

依田 彩那 取材の匠メンバー、中小企業診断士
大学では社会福祉・観光経営を学び、新卒にて自動車部品メーカーへ入社。約6年の在籍期間中に人事・法人営業を経験。現在はソフトウェア開発会社の人事部門にて、研修・キャリア開発担当として社員が働きやすい環境づくりに奮闘中。趣味は人と話すこと・サブスクリプションサービスで好きな音楽を探索すること。

拓け!中小企業診断士の扉~受験奮闘編~カテゴリの最新記事