【赤宗行三さんインタビュー】2年目のオールA合格!好奇心旺盛なビール技術者が実践した、2次試験学習の軌道修正

【赤宗行三さんインタビュー】2年目のオールA合格!好奇心旺盛なビール技術者が実践した、2次試験学習の軌道修正

【第1回 好奇心に突き動かされ中小企業診断士を志す】

【赤宗行三さんインタビュー】

2016年に飲料メーカーに入社し、現在はビール工場の技術者として活躍している赤宗行三さん。2年間で診断士資格を取得するまでのストーリーを3回シリーズでお届けします。第1回は、お仕事の内容と診断士資格に挑戦したきっかけをうかがいました。

ビール工場で「自分の舌と答え合わせ」の毎日

――現在のお仕事について教えてください。

ビール工場に勤務し、醸造エネルギー担当という部署で技術者をやっています。基本的にはビールを作る、仕込む、発酵させる、という部署です。ビールの製造には多くのエネルギーを使います。醸造だけでなく、醸造に使うエネルギー、醸造から出た廃棄物の処理などもビール醸造の仕事の一つです。一番注視しないといけないのは品質管理。いつも同じ味になるようにモニタリングしています。

――一定の味を保つのは、大変なのではないですか。

そうですね。一定の味もそうですし、国内の9工場でも同じ味にしなければなりません。いろいろな工場のビールを味わうので、「自分の舌と毎日答え合わせ」をしています。

――キャリアとしては、ワインの商品開発のご経験が長いとうかがいました。

ワインは6年間です。お酒を作るという意味ではビールと一緒ですが、ものが違うと作り方も違います。商品開発では、商品コンセプトづくりから味づくりの人間も入ります。そのコンセプトに合った味のレシピを作り、製造工程に落とし込むところがメインの仕事です。商品開発は一通りの流れを経験できたかなと思います。

ワインは「アート」 生産者の思想に触れる

――ワインを作るやりがいはどのようなところにあったのでしょうか。

ワインは1杯数百万円から1杯数百円のものまで、幅が広いのです。作るものによって思想が違う、いろいろな思想に触れるところが面白いです。たとえば「この畑のこの位置のブドウを使っているから美味しいんだ」とか、「月の満ち欠けに応じて仕込んでいる」とか、本当に幅が広くて、いろいろなモノづくりに触れるというのがやりがいでしたね。生産者は想いを実現したい、そして私自分もありたい商品像を実現したい。そういうつながりを作るのが思想だと思います。「ワインはアートである」というこだわりの人たちもいます。

「好奇心」に突き動かされて中小企業診断士を志す

――順調なキャリアに見えます。どうして中小企業診断士を取得しようと考えたのでしょうか。

飲料会社の技術は、他に使いようがない知識と技術で、その会社の中でそのものを作る、装置産業なのです。外で生きる知識ではないと感じ、調べている中で、ビジネススキルを網羅的に学べる中小企業診断士の資格を知りました。

――会社の公式noteの記事を拝見して、「挑戦し続ける」人とお見受けしました。ご自身を一言で表すと?

面白いものを作る、面白いことをするという「好奇心」かな、と思います。それに突き動かされている感じがします。大学院でも夜12時頃まで研究室にいたので「研究室の番人」といわれていました。

――好奇心が職場の「外」に目を向けさせたのですね。診断士試験は長期戦ですが、どのように勉強されたのでしょうか。      

1次試験は独学でしたが、2次試験はTACの通信を使いました。2020年4月はコロナ禍で、土日にすることが何もなくなり、GW前から勉強を開始しました。1次試験はたまたま受かったという感じです。

「時間対効果」を意識する

――1次試験を4カ月弱で合格したということですね。

おそらく過去問が重要ですね。教科書のインプットよりも、アウトプットをしっかり意識することだと思います。模試も受けていなかったので、傾向もわからずに受験しましたが、結果的に財務会計は得点源になりました。

――短期合格のコツがあれば、ぜひ教えてください。

注力するところと注力しないところは、メリハリをつけた方がいいかなと思っています。7科目目の中小企業経営・政策は、単純暗記というかどこがポイントかもわからなかったので、私はほぼ勉強しませんでした。その代わりに、本当に知らなかった財務会計に勉強時間を費やしました。得手不得手がある中で、知らないところやカバーしなければいけないところをいかに早く見極めて注力するかの「時間対効果」だと思います。

自分をリセットする方法を持つ

――2020年、コロナ禍真っただ中の学習でした。勉強スタイルについて教えてください。

コロナで外出もできないセンシティブな時期だったので、勉強はずっと家でやっていました。勉強していた時期は独身だったこともあって、結構時間は自分の思い通りにできたというところはありました。土日にまとめて10時間ずつくらいやりました。そんなに朝方というわけではないですが、平日は6時くらいから1時間ほどやりました。

――ずっと家とはすごいですね。集中力は切れないのでしょうか。

集中力が切れたら体を動かす、それが自分の中でのリセットです。私はずっと野球をやっていましたので、集中力が切れたら外へ素振りをしにいっていました。



高橋 良介

高橋 良介 取材の匠メンバー、中小企業診断士
2005年に国際物流の企業に入社。現在は専門商社で船積み業務に従事する。このままの自分ではまずいという危機感から中小企業診断士を目指し、2022年に診断士登録。埼玉県中小企業診断協会に所属。キャリアに散々悩んだ経験からキャリアコンサルタント資格を取得し、中小企業診断士と同時に研鑽中。

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