【内田和典さんインタビュー】続けていれば、必ずゴールにたどり着く マラソンランナーの持続可能な受験生活

【内田和典さんインタビュー】続けていれば、必ずゴールにたどり着く マラソンランナーの持続可能な受験生活

【第2回 マラソンランナーに学ぶ 持続可能な受験生活のススメ】
過去の記事:第1回

食品メーカーに新卒で入社して以来20年以上を商品開発職として過ごし、協力会社とのつきあいから中小企業診断士を目指すようになったという内田和典さん。毎朝のランニングを欠かさないマラソンランナーとしての顔も持つ。第2回目は、ランナーとして長距離を走る内田さんの持続可能で理想的ともいえる受験生時代の生活について話をうかがった。

自分自身へのプレッシャーをかけて、2年がかりで1次試験をクリア

受験1年目に3~4科目、2年目に残りの科目に合格し1次試験を突破、2年目に1回目の2次試験に挑むというのは、中期的な合格を目指す場合の、理想的なスケジュールのようにみえる。通信教育を受講した内田さんは、その甲斐もあって、1年目に企業経営理論、運営管理、経営情報システム、中小企業経営・政策の4科目で科目合格した。もともと企業経営理論や運営管理は得意だったが、聞きなれないカタカナ用語の多い経営情報システムは当初苦手だったという。学習を進めるうちに用語に徐々に慣れていき、経営情報システムも1年目での科目合格となった。

翌2019年に残った経済学・経済政策、財務・会計、経営法務の3科目を受験。このうち、財務・会計には最後まで悩まされたという。

「財務・会計が一番苦手でした。2012年に合格したはずの簿記2級の内容はすっかり忘れてしまっていました」

しかし内田さんは、これを徹底的な反復練習で克服する。

「財務・会計だけはごまかしがきかないなと思ったので、ひたすら問題集を解くことにしました」

きちんと理解して練習すれば解けるはず、解けないのは努力不足、練習不足だというプレッシャーを自分自身にかけながら粘り強く取り組み続け、無事に2次試験への切符を手にした。

走り続けていれば、いつかゴールにはたどりつく

反復練習が大切だとわかっていても、苦手だと思っていることに積極的に取り組み続けるのにはストレスや苦痛が伴う。内田さんはなぜそれを実現できたのだろうか。

「走っていれば、いつかはゴールできるよね、と思っているからでしょうか」

単に楽観的と受け取られるかもしれないが、「自分はゴールにたどりつけるだろう」という見込みを持てなければ出てこない言葉である。その根本には、趣味のマラソンで培った「あまり早い方ではないけれど、なんとかゴールにたどりつくタイプ」という自己イメージがある。

「そもそもゴールできないような高すぎる山にはチャレンジしないので。チャレンジを決めて実際にスタートした時点で、1パーセントくらいはやれると思っていたはずです。であれば、なんとかなるだろう、と」

内田さんは「途中でやめるのが苦手なんです」と笑うが、「達成するまで続ける」というごくシンプルな目標達成の手法を実行できる内田さんだからこそ、着々と走り続けた日々を合格までの花道とすることができたのだ。

誰もがお手本にしたい 健康的で持続可能な受験生活

内田さんの受験生活には、「健康的」と「持続可能」という2つの特徴がある。趣味でマラソンを楽しみ、毎朝のランニングを欠かさない内田さんの朝は早い。

「4時に起きて6時までは家事や診断士試験の勉強をする。6時から6時半の30分間でランニングをしてから会社に行く、という生活でした。家族は夜型の生活をしているので、朝は自分の時間とできるのもよかったですね」

この生活で、平日には1時間半~2時間、休日には3時間と、週20時間程度の勉強時間を確保できる。さらに、運動不足になりがちな受験生活でありながら、毎日30分の運動をしているのだ。隙間時間や早朝深夜に勉強をするための時間をなんとか確保するのではなく、日常の生活の中で上手に時間を確保し、無理はしない。無理がないから長く続けられる。長距離を走るノウハウは受験生活にもいきていたようだ。








豊田 ようこ

豊田 ようこ 取材の匠メンバー、中小企業診断士
茨城県出身。東北大学大学院生命科学研究科修了。7回の転職で一次産業、二次産業、三次産業を経験。現在はメーカーの品質保証職として社内教育やISO9001関連の業務に従事。 2024年4月中小企業診断士登録。茨城県中小企業診断士協会所属。趣味は読書と刺しゅうと日本舞踊。

拓け!中小企業診断士の扉~受験奮闘編~カテゴリの最新記事