【石川達也さんインタビュー】「一呼吸」置きながら努力を続けた8年間。試行錯誤の末、導き出した合格戦略とは

【石川達也さんインタビュー】「一呼吸」置きながら努力を続けた8年間。試行錯誤の末、導き出した合格戦略とは

【第2回 8年の試練を越えて。中小企業診断士合格への道のり】
過去の記事:第1回

商社で経理をはじめ多岐にわたる業務を手掛ける、石川達也さん。中小企業診断士を目指す中、多忙により勉強に集中できない時期もあったが、8年間の努力の末に無事合格。大手IT企業から6回の転職を経て中小企業に入社し、社長に寄り添いながら挑戦の日々を送っている。第2回は中小企業診断士試験の勉強期間について詳しく伺った。

合格までの道のり

石川さんの中小企業診断士合格までの道のりは、まさに長期戦であった。受験開始から合格に至るまで約8年という時間がかかり、その間には多くの変化と挑戦があった。石川さん自身、初めての受験から最終的な合格まで、日々の仕事とのバランスを取りながら学び続けた。石川さんが中小企業診断士試験に挑戦し始めたのは、IT業界での職を一旦離れた後のことである。元々は1年間の計画で勉強を進めていたが、新たに生まれた家族に対する責任と再就職が、その計画を一変させた。再び職場に戻った石川さんは、仕事の楽しさと忙しさに追われながらも、試験勉強を続けるという大きな負担を背負うことになった。

受験期間中、石川さんは毎年試験に挑戦し続けたが、なかなか1次試験を全科目突破することができず、それ以降も何度か挫折を味わった。特に、仕事が忙しくなると勉強時間が削がれ、試験の準備が十分でない年もあったという。しかし、彼は諦めず、その都度学習計画を見直し、試験のたびに経験を積んでいった。石川さんの合格戦略は、最終的には成果を上げた。不合格が続き苦しい期間でも、自分が直面していた問題点を一つひとつ克服し、それが自身の成長につながったと振り返っている。

1次試験突破への道

1次試験は特に広範な知識が求められ多くの受験生にとって大きな挑戦である。石川さんも例外ではなかった。ここで、彼が試験の準備に用いた方法や工夫を紹介する。石川さんは特に苦手としていた経済学と経営法務の分野では、標準的な中小企業診断士用のテキストを離れ、特化した検定教材に焦点を当てた。他の教材を使うという工夫により、苦手分野を効率的にカバーし、最低限の理解を確保することができた。一方で、得意な科目については、徹底的に中小企業診断士用のテキストを反復し、知識の定着を図った。

また、朝の時間を利用してカフェで1時間ほど勉強する日々を送っていたが、この時間の確保は非常に効果的であったと語る。1次試験の経験を通じて、石川さんは他の受験生に対しても有益な洞察を提供している。「試験対策は、ただ漫然と勉強するのではなく、自分の弱点を正確に把握し、それに対する効果的な学習方法を見つけることが重要」と説く。

2次試験突破への道

石川さんは2次試験に何度も挑戦し、その過程で数々の対策と戦略を講じた経験を持っている。最初の試験では何もわからずにただ教材を購入して挑んだが、うまくいかなかった。その失敗から学び、資格スクールの16回コースに申し込んだが、2回しか参加しなかったために再び失敗した。

石川さんによると、2次試験の勉強法が本格化したのは3回目からで、月刊「企業診断」に掲載されている事例集を図書館でコピーし、繰り返し学習することで対策が形になったという。また、1次試験と同様に苦手な部分を克服するために他の科目でカバーする戦略を採用し、特に得意な人事組織とマーケティングの知識を生かし、苦手な会計の部分を最低限の理解に留める方針とした。結果、4回目の試験で石川さんは合格を果たす。試験対策の適切な調整、そして適時に行った対策の見直しの重要性を示す貴重な事例である。








三笠 じゅん

三笠 じゅん 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県出身で、現在は東京都在住。通信事業者に入社し、海外支店駐在後グローバル部門にて海外キャリアとの交渉や、法人向けサービス企画、フロント営業など幅広く従事。またプロジェクトリーダーとして、国際首脳会議での日本の魅力発信や、他多数の社内外横断プロジェクトを立ち上げ、推進。更なる自己研鑽のため2022年に中小企業診断士を取得。仕事と育児の両立を目指すワーキングマザー。

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