【小松弘樹さんインタビュー】様々な診断士仲間との出会いに刺激され夢の実現に邁進

【小松弘樹さんインタビュー】様々な診断士仲間との出会いに刺激され夢の実現に邁進

【第1回 仕事を通じて社会のために】

学生時代には野球に打ち込み就職は金融機関へ。小松さんの経歴と現在の職務内容とともに仕事に対する思いについて紹介する。

中小企業を顧客にもつ金融機関でハンズオン支援

下がり気味な目じりにがっしりとした体格の小松さん。確かな経験に裏打ちされた安定感を醸し出し、物腰やわらかい会話術により、何かを相談しようと対面する相手はその雰囲気にえも言われぬ安心感を覚える。

小松さんは新卒入社以来、中小企業を主要顧客とした公的な色合いの濃い金融機関に勤めている。現在のオフィス拠点は東京であるが、自分がリーダーであるグループが担当する取引企業は全国に150社を超え、様々な課題を抱える担当先に対してハンズオン支援を行っている。主には業績低迷に苦しむ企業の再生を支援し収益性とキャッシュフローを改善させ、資金繰りを円滑化していく、という業務に日々邁進している。

紆余曲折しながらも野球に打ち込んだ学生時代

山形で生まれ、学生時代は仙台で過ごした。高校では甲子園を目指す熱血球児だった。やっとレギュラーポジションを勝ち取ったものの志望校への現役合格は微妙な成績に。高校球児として甲子園出場の夢に挑戦するか、将来の人生につながる大学進学を優先するか、悩みに悩んだ挙句出した結論は受験に専念することだった。高2秋の東北大会出場を最後にすっぱりと野球から離れ受験勉強に打ち込んだ結果、第一志望校に念願の現役合格を果たす。

大学入学当初は華やかな大学生活にあこがれるも、毎日の生活に物足りなさを感じて、自分の居場所はやはり野球にある、と思い直して、体育会野球部へ入部。大学チームが加盟する仙台六大学野球には強豪の東北福祉大学が所属し、のちにプロ選手となるハイレベルな選手たくさん在籍していた。そんな選手たちとの実力差を感じながら野球に打ち込む一方で、アルバイトにも精を出し、社会経験を積みながら学生時代を過ごしていった。

社会貢献につながる職場を探して

就職活動を迎えて、当初は、「長男には地元にいてほしい」という親の意向をくんで、地元に帰って公務員になろうと思い受験対策をしていた。しかし、人生の大事な選択をするこの時期に民間の世界を見ずして安易に決めてしまってよいものか、という疑念が持ち上がり、経済学部のゼミや部活の先輩が多くいる金融機関を目指すように。一方当時は、銀行や証券会社といった金融業界では長時間身を粉にして働いてノルマを達成する風潮が色濃くのこる時代。そんな業界風習を知ったうえで自分の仕事に対する向きあい方を一から見つめ直し、社会貢献につながる実感が持てる企業で仕事をしていくことが自分の求めていることであると結論づけた。そこで、公的な色合いの強い、中小企業を主要顧客としながらも全国にネットワークのある金融機関を選んだのだ。

企業支援に対する思い

入社して3年目からは法人営業を担当し、段階的に担当する中小企業のボリュームを拡大し、約100社、融資総額100億円規模となる。その後、本部では人事、経営企画、広報といった部署を経験、営業店では支店長も務めた。そして現在は、本部の専門セクションで主に資金繰り面に経営課題を抱える重要取引先に対するハンズオン支援のグループリーダーを任されている。

取引先企業には内需型企業が多く、市場が縮小していく中で固定費圧縮や課題解決に向けた経営計画やアクションプラン策定といった施策を経営者にアドバイスする。いままで幾度となく顧客企業の再生のため自らの立場で厳しいことも伝えてきたが、それは経営課題に向きあう経営者の意識を高めて会社の成長を促すことがよりよい社会の実現につながる、という就職活動の最中に自分の中に芽生えた社会貢献に対する思いが根底にあるからである。








菅野 靖雄

菅野 靖雄 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都在住。大手電気メーカーの事業部門で経営管理業務を長く勤め、海外駐在経験も豊富。業務経験の体系化を目的に2023年度の中小企業診断士2次試験に合格。企業内診断士としての活動を通じ中小企業診断士ネットワークを拡大中。

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