【中川 淳一朗さんインタビュー】やりきるための、「本腰を入れない」勉強法

【中川 淳一朗さんインタビュー】やりきるための、「本腰を入れない」勉強法

【第2回 勉強が苦にならない、勉強との向き合い方】
過去の記事:第1回

【中川 淳一朗さんインタビュー】

製造業向けの生産管理システムを通じて企業支援に取り組む中川淳一朗さん。企業を支援したいという思いから、診断士資格を取得すると決めた。今回は中川さんが、実際に行った勉強法を中心に紹介する。

勉強を習慣にしてしまうコツ

診断士試験に向けて準備を始めたのは、2022年の冬ごろ。独学での勉強だった。

「本腰を入れないで勉強する」

それが、中川さんの大切にしていたスタイルだ。

「いざ机に向かって、勉強しようと思うと、どうしても腰が重くなるじゃないですか」

スマホやタブレットを活用して、通勤やちょっとした空き時間に「サッと解ける」環境を整えた。勉強しているという意識ではなく、「暇だからやってる」くらいの感覚で取り組んだという。

一日の勉強時間も、特に決めていなかった。

「とりあえず、ちょっとでもやっておこう」というスタンスで机に向かい、集中できない日は無理せず早めに切り上げた。

「全然頭に入らない日もありましたし、やる気がなくても始めてみたら意外と続くこともありました」

話を聞いていると、どこかライトに取り組んでいたようにも感じられるが、実際の勉強内容は決して軽いものではない。書籍と動画でひと通りインプットを終えたあとは、ひたすら問題演習に取り組んだという。

「とにかく解く、解く、解く、解く」

そう表現する中川さんの言葉には、積み重ねてきた演習の量がうかがえた。

こうして約8か月間の勉強期間を経て、中川さんは1次試験を見事に突破した。

撃沈からのリスタート

1次試験同様、独学で臨んだ2次試験。中川さん曰く、「撃沈」だった。

「惜しくもなかったです。よかった科目でも50点台。60点を超えるものはありませんでした」

試験後は、さすがに燃え尽きた感覚があった。

「年明けの2月くらいまで、3〜4ヶ月は何もしていませんでした。もう疲れちゃって」と笑う。

それでも再び机に向かった中川さん。

「中小企業診断士になりたいという、きれいな理由ももちろんありました。でもそれだけじゃない。勉強から解放されたい、という気持ちも含めて。やっぱり合格したかったんです」

診断士試験では、1次試験に合格すると、その合格は翌年まで有効になる。つまり、2次試験には2年連続で挑戦できるしくみだ。

中川さんは、この2年目のチャンスに全力を注ぐことにした。

またイチからやり直すのは、きつくないか。そう自らに突きつけたという。「もう戻りたくない」という焦りがエンジンとなった。

80分に縛られない、2次試験の勉強法

二度目の2次試験対策では、独学から通信講座に切り替えた。中川さんが選んだ通信講座は、模試が定期的に送られてくるものだという。

ここでひとつ疑問が浮かぶ。

診断士試験の2次試験は、80分の記述式。模試を解くためには、まとまった時間が必要となる。1次試験の勉強で用いた「本腰を入れずに勉強する」というスタンスは難しいのではないか。――そんな問いに、中川さんは意外な答えを返してくれた。

「実は、80分まるまる使って解くことは、ほとんどなかったんです」

最初のうちは、何を書けばいいのかわからなかった中川さん。そこで、無理に書こうとはしなかった。問題を読み、「自分ならこう書く」と頭の中でイメージする。答えは書かずに、模範解答を読み込み、「なぜこの書き方になるのか」を分析した。

「結局、試験には採点基準がありますよね。何を測ろうとしているのか。何を見ているのか。どういう解答が点数になりやすいのか。そこを理解するために勉強していました」

書かなければ、と気負う必要はない。大事なのは勉強を続けること。これもまた中川さん流の「本腰を入れない」戦い方である。 次回は、中川さんの試験結果と、その後の活動に迫る。








三葉晃大

三葉晃大 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1991年兵庫県生まれ。東京都在住。大学卒業後、アミューズメント系メーカーに入社。法人営業として全国100社以上を担当し、現在は営業部門のマネジメントに従事する。入社以来10年以上にわたり、一度も病欠がない、安定した体調管理が密かな自慢。2025年に中小企業診断士試験に合格。東京都中小企業診断士協会・城南支部に所属。