【第1回 インフラを支える技術者、中小企業診断士への道】

日本の社会インフラを根底から支える通信業界の第一線で活躍する技術者、清水さん。彼のキャリアは、情報通信技術の進化とともに歩んできた。しかし、その道のりの中で、彼は新たな可能性を求めて中小企業診断士資格に目を向けた。この連載では、彼のこれまでの歩みと、中小企業診断士としての未来への展望を深掘りする。
社会のインフラを支える仕事
清水さんの本業は通信事業者におけるプロジェクトマネージャーである。彼は、通信インフラを支えるシステムの企画・開発を担っている。利用者はシステムを使っているということを意識するわけではないが、多くのユーザーが恩恵を受けているサービスを支えているのである。
現在の会社には新卒で入社したという清水さん。「『縁の下の力持ち』ではないですが、社会インフラという枠組みで考えた時に、みんなが使うものとして、電気やガス、水道と同じように、インターネットが普及し、携帯電話がスマートフォンになり、通信を使う環境が整っていきました。そうした中で、『みんなの役に立つものを作りたい』というところが動機にあって、今の仕事につながっています」と本業にかける想いを語った。
既存のシステムを維持していくことも清水さんの本業において重要な業務だが、時代に合わせた新たなサービス開発にも力を入れている。情報通信技術の発展とともに、コミュニケーションの手段も多様化しており、電話をかける、手紙を送るというものから、スマートフォンでチャットをする、パソコンでビデオ会議をするといった形へ、目まぐるしく変化している。技術をお客様が利用するサービスにつなげられるよう、複数のシステムで実現しているという。彼の仕事は、現代社会において不可欠な通信インフラを、技術とアイデアで進化させ続けているのだ。
大学院での学びがキャリアを拓く
長年、通信業界で技術者として活躍してきた清水さんだが、社会人大学院のMOT(技術経営)に通っていた経験を持つ。この大学院での学びが、彼のキャリアに新たな視点をもたらした。大学院に通うきっかけは、『人とのつながり』があったからだ。清水さんは、進学に踏みきった理由を「将来を見据えた時に、これまでの経験・技術を活用しつつも、経営戦略や財務といった、生業となっている分野の知識を新しく身につけたうえで、周りに対して影響力を発揮していければ良いという思いがありました」と振り返る。
当初から明確なキャリアゴールがあったわけではないとしながらも、「大学院での学びが何かしらの形で将来のキャリアの選択肢の幅を広げるきっかけになる」との考えに至り、大学院で学びながら自身の挑戦したい領域を見定めようと進学を決意した。
中小企業診断士との出会い
中小企業診断士の資格取得を目指すきっかけも、この大学院を通した『人とのつながり』だった。大学院ではインプット中心で、企業に戻ってその知識を使って業務に活かす方が多い。清水さんは、インプットした知識をどのように実践していくのかを考える中で、中小企業診断士の資格を取得し、仕事に活かしていこうとする大学院の先輩の話を聞いたという。
「そういう選択肢もあるのだと知り、自分も受けてみようと思った」と、新たな扉が開かれた瞬間を振り返った。
当初、中小企業診断士という資格に抱いた印象は「科目数が多い」という点と、「2次試験の正解イメージがつかなかった」という2点だったという。しかし、その難しさに臆することなく、彼は新たな挑戦へと踏み出すことを決意した。 次なる第2回では、彼がいかにしてこの難関資格を短期間で突破したのか、その「選択と集中」の学習戦略に迫る。

大竹 杏佳 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都在住。大学卒業後、大手総合人材サービス会社にて3年間採用のコンサルティングに従事。その後、IT業界にて、中小企業の課題解決につながるビジネスの創発、企画に携わる。2024年度に中小企業診断士試験に合格し、2025年度に登録予定。
