【菅田裕之さんインタビュー】大企業18年目社員が見つけた使命〜埋もれた日本の財産を次世代へつなぐ中小企業診断士への道

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【第2回 途方に暮れた2次試験から、ヘルシンキの図書館で掴んだ「構造化」の閃き】
過去の記事:第1回

前回は、社外派遣での体験をきっかけに中小企業診断士を目指すことになった菅田さんの想いをお聞きした。今回は、実際の勉強方法と家族の支え、そして合格への転機について詳しく伺う。

習慣化の力と家族の支えで乗り切った1次試験

2022年10月から中小企業診断士の勉強を開始した菅田さん。勉強方法は至ってシンプルだった。1年目は平日3.5時間、休日6時間の勉強時間を確保。始業前1~1.5時間、夕食後2.5時間という習慣を作った。「あんまり工夫はしていない」と菅田さんは謙遜するが、この習慣化こそが合格への道筋を作った。できない日は週内で調整する柔軟性を持たせつつ、基本的には決まった時間に勉強する。通信講座を活用した独学で、得意科目は企業経営理論、苦手は財務・会計と経済学だった。苦手分野もあったが、毎日のルーティンで地道に克服していった。

また、勉強期間中、妻の支えは欠かせなかった。「今は勉強の方が大事でしょって。家の事は私がやれるからって、僕の勉強時間を作ってくれた」と菅田さんは振り返る。勉強がうまくいかない時の愚痴も、いつも優しく受け止めて話を聞き、菅田さんが自己解決できるよう支えてくれた。こうした着実な積み重ねと家族の支えを受け、1次試験は1回で突破することができた。

2次試験の壁と妻の一言で生まれた奮起

1次試験を突破した菅田さんだったが、2次試験では予想外の困難が待っていた。過去問を何度も繰り返すが、点数が全く安定しない。何をやれば点数が上がるのかが全然わからない状況に陥り、はじめての2次試験は不合格となってしまう。

「過去問は何度もやって、内容を覚えたことで点数は上がっていた。でも、暗記で点数が上がっている感じがあって、本質的に何かをつかめていない」。菅田さんは振り返る。過去問を繰り返すことで確かに点数は上がるが、それは暗記によるもので、本当の理解に至っていない感覚があった。「何をやれば点数が上がるのかが、もう全然わからなかった時期があります」。この状況に菅田さんは途方に暮れ、しばらく勉強から遠ざかった期間もあった。

2回目の2次試験への迷いが生じた時、妻は意外な言葉をかけた。「養成課程があるなら、昨年の1次合格の後、進めば良かったのに。その方が早く中小企業診断士になれる」。愛情に裏打ちされた思いがけない助言だった。「家族にこれ以上迷惑をかけられないと思い、奮起することができた」と菅田さんは語る。「向き合うことでしか解決はない」と心を決めて、再び向き合うことにした。

ヘルシンキの図書館で降りてきた「構造化」の閃き

転機は思いがけない形で訪れた。2次試験の約1か月前、菅田さんはフィンランドに出張となった。試験が近いプレッシャーの中、土日もヘルシンキの図書館で勉強を続けた。日常から離れた異国の図書館という特別な環境が、菅田さんの思考に新たな視点をもたらした。

「もしかして事例Ⅰから事例Ⅳまで同じことを言っているのかな」。ふと、そんな疑問が浮かんだ。試しに、与件文に登場する経営者が何に困っているのかという分析から始めて、具体的に何が必要なのかをピラミッド状に構造化してみた。

その瞬間、「あ、この構造に対して質問が作られているんだな」とすべてがつながった。「結局、その経営者が解決したい課題は1つしかない。そこが起点になって、どの問題がきても答えられるという自信がついた瞬間だった」と菅田さんは振り返る。海外の図書館という異空間が、菅田さんに貴重な閃きをもたらし、2回目の2次試験で合格を手にした。

最終回では、中小企業診断士として今後どのような活動を展開していくのか、そして後輩受験生へのメッセージをお聞きする。








栗野 将徳

栗野 将徳 取材の匠メンバー、中小企業診断士
BtoBマーケティングの実務経験と中小企業診断士としての理論的知見を組み合わせ、企業の成長支援に取り組んでいる。特に新規事業立ち上げフェーズにおける集客からコンバージョンまでの一気通貫した仕組み作りを得意とし、多くの企業の0→1達成をサポートしてきた実績を持つ。

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