【H.Tさんインタビュー】資格勉強の集大成、あの日描いた理想の30代へ

【H.Tさんインタビュー】資格勉強の集大成、あの日描いた理想の30代へ

【第2回 中小企業診断士の合格までの道のり】
過去の記事:第1回

大手化学メーカーの営業職としてグローバルに活躍するH.Tさん。多忙な日々を送る中で、2025年に中小企業診断士の資格を取得した。その経緯と今後の展望について話を聞いた。第2回では、中小企業診断士の受験生時代の勉強方法に迫る。

勉強スタイル

2年間の学習を経て、中小企業診断士の資格を取得した H.Tさん。これまで様々な資格試験に挑戦してきた経験を活かし、自分に適した学習スタイルを確立していった。

「1次試験の勉強方法として、KIYOラーニング株式会社が提供するオンライン講座「スタディング」を選びました。宅建の試験時に通信講座を利用し、隙間時間を活用して動画で学習できるスタイルが自分には合っていると感じたためです。それと朝に学習することを意識していました。これは、ビジネス書の自己啓発本で推奨されていた方法でこれまでの資格を取得する際も、朝に学習することで無理なく継続できました」

朝は7時くらいから会社近くのカフェで約2時間学習し、さらに電車の往復の隙間時間を活用する。自分にあったスタイルで1年目に4科目に合格し、2年目に残る3科目を突破。2次試験へと挑戦することになった。

初めての不安

「様々な資格試験を合格してきたので、これまで通り自分の方法で進めれば合格できると思っていました。ところが、2次試験はゴールが見えず、初めて怖いなと思いました。」

2次試験は独学で挑戦することを決意した。しかしいざ取り組んでみると、どう勉強すればよいかわらなくなったという。

「追い詰められましたね。合格するために、戦略を立てる必要があると感じました。まずは落ち着いて情報収集をすることにしました。」

2次試験特有の正解が開示されていない形式に戸惑ったものの、これまでの学習スタイルを駆使し、攻略の糸口をみつけていった。 H.Tさんが特に意識したのは、次の2点である。

1点目は、信用できる情報を集めることだ。中小企業診断士受験生を合格者が支援する「タキプロ」や「ふぞろいな合格答案(同友館)」といった実際に合格した人たちが発信する情報に絞り、信用できる情報を数多く収集する。そして2点目は、集めた情報を実際に試すことだ。

「自分に合わないと思っても1回は試してみる。試すことで、自分に適した方法かどうかの基準が見えてきます。例えばある合格者の方は、1回目の過去問は一度に全問解くべきと発信していました。ところが私には、その方法が合いませんでした。解けない問題が続くと嫌になってしまうのです。そこで、私は最初から答えを確認して、書き写すことにしました。こうして、1つずつ試行錯誤することで、自分なりの解答プロセスを確立していったのです」

試しながら自分に合う形へと落とし込む。1度試して合わない方法は、無理して続けずに割り切る。

「ゼロから解法を作る人もいると思いますが、自分はよい部分をどんどん吸収し、自分の型をつくっていくスタイルがあっていると、過去の学習経験から感じていました」

合格に向けて大切なこと

それでも2次試験を終えたときの手応えは50%ほどだったという。

結果は、見事1回での合格。これまでの受験生活を振り返り、合格に必要なことの1つは毎日勉強を継続することだと語る。

「1日わずかでもいいから勉強を続けること。過去にTOEICの勉強をしていた時も、点数が伸び悩む停滞期がありました。そうすると、やる気を失い、学習を継続するのが億劫になってしまう。でも、継続の積み重ねの先に合格があると思うのです」 まさにこれまでの勉強の集大成を武器に、 H.Tさんは合格をつかみ取った。








清野 裕樹

清野 裕樹 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県横浜市出身。総合人材サービスの会社で顧客の人事・人材課題の解決支援に従事。企業内診断士として、チャレンジする人と組織の支援をテーマに活動。企業の事業計画書作成支援、受験生支援の講師業、「ふぞろいな合格者答案」の執筆等を手掛ける。趣味はランニングとお酒。毎朝6キロ走ってから仕事に行くのが日課である。

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