【第2回 中小企業診断士合格まで】
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アミューズメント系企業で営業職を務める三葉晃大氏。現在の勤務先で誇りとやり甲斐を感じて働く一方で中小企業診断士試験の受験勉強を開始。第2回は受験期の彼が行った勉強法や本試験での受験のコツ・作業ノウハウについて聞いた。
受験勉強開始、スローダウン
三葉氏に受験勉強した期間について尋ねると、「一応、ストレートで合格することができまして(笑)」という答えが返ってきた。「一応」と付けたところに質問をした筆者が多年度受験生である場合に備えた配慮のようなものが伺えた。彼が想定した通り、筆者はストレートでは合格していなかったが、その配慮のおかげかネガティブな感覚はまったく覚えなかった。
勉強を始めたのは受験年の前年11月から12月で、三葉氏の勉強期間はちょうど1年くらいとのことであったので、単刀直入に受験勉強のコツについて尋ねた。
勉強開始した直後の1か月から2か月の間は高いモチベーションを維持できまとまった時間を勉強につぎ込んでいたが、2024年の年明けからゴールデンウィークのある5月ごろまでは少しスローダウン或いは中だるみといった状況に陥ったそうだ。ここまでは多くの受験生が経験する状態ではなかろうか。
三葉氏の勉強時間が急激に増えていったのは、2024年5月の中小企業診断士受験機関(受験予備校)が開催した1次試験用の模擬試験結果を見た5月からであった。受験年度5月の時点の自分自身としてイメージしていた獲得点数をはるかに下回る結果であったからだ。
得意分野なしからの勉強法
三葉氏の受験勉強にムラがあることは理解したうえで、ストレート合格につながった具体的な勉強法について尋ねたところ、「試験科目の中で得意分野がない」という意外な答えが返ってきた。
三葉氏の場合、得意分野はないとするものの受験テクニックとして、過去問と類似した問題が出題される傾向の強い「企業経営理論」と「運営管理(オペレーション・マネジメント)」の2科目については、過去問題集を繰り返し解くことで得点源としたと語る。
では、過去問題集だけでの対策が難しい他の5科目はどう対策したのか。「私はITリテラシーが低いので、『経営情報システム』などはまさにゼロからのスタートでした」と語る三葉氏。これを含む苦手な5科目をどう克服したのか詳しい説明を求めたところ、三葉氏は、テキストを読む前に必要な基礎知識が足りていなかったと語った。
三葉氏は、受験テキストを読みわからない部分については、中小企業診断士試験とは無関係ではあるが、試験科目の関連項目を扱うYouTubeチャンネルを利用して基礎知識を補強したり、図解が多く用いられている専門書を活用したりして、視覚的に理解を深めて自分なりのイメージを膨らませた。つまり、無理矢理の暗記に頼らず視覚的に知識が定着する方法を編み出したようだ。
2次試験の勉強法は試行錯誤の連続
2次試験対策について、三葉氏は「筆記試験なのでやればやるほど書き方のコツや解答作成する段階で加点要素を推測できるようになり、自分なりの書き方を確立し定型化していった」と語った。
また、多くの受験生が悩みである解答作成技術についても語ってくれた。
「下書きを書くべきか、或いはキーワードをメモするだけという議論があるが、80分間の中で規定の文字数に収めるために自分に適した方法は何か、練習と試行錯誤を重ねて体得していった。」
三葉氏の場合は、キーワードをメモしながらアウトラインを作っていき、それを肉付けしながら解答用紙に直接書き込みにいくということのようだ。
三葉氏が語った1次試験と2次試験双方の勉強法は、結果としてオーソドックスで地に足の付いた内容であった。短期間ではあるものの、そこに集中して時間を投入したことが窺えた。

種本 淳利 取材の匠メンバー、中小企業診断士
広島県生まれ。大学卒業後、総合商社に入社。現在は再生可能エネルギー由来の発電事業に従事し、国内の風力発電やバイオマス発電などの新規事業開発からアセットマネジメントを推進中。途中、コーポレート系の部門に在籍し、財務・経理業務にも従事。海外駐在歴は台湾、アラブ首長国連邦、インドネシアの3か国。2020年中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会中央支部に所属。
