【山口大樹さんインタビュー】 “企業内”だからこそ、より活躍できることもある

【山口大樹さんインタビュー】 “企業内”だからこそ、より活躍できることもある

【第1回 経営支援サービスを立ち上げる】

【山口大樹さんインタビュー】

中小企業診断士の7割は企業に所属する企業内診断士です。しかし、資格を活かした活動に苦労している方は少なくないでしょう。今回は大塚商会で「経営支援サービス」を立ち上げ、そのプロジェクトリーダーとして活躍している山口大樹さんにお話を伺いました。3回の特集記事を通して、活躍する企業内診断士に求められるものは何かを探っていきます。

“企業内”だからこそできること

――「経営支援サービス」について教えてください。

「経営支援サービス」は企業の経営課題の解決をお手伝いするサービスです。大塚商会はこれを無料で提供しています。会社では社会的役割・責任・存在意義を“使命”として、目指すべき目標や日々の行動指針を「ミッションステートメント」として制定しています。私たちの部署では、これを実現するために企業の成長をサポートし、お客様とビジョンやプロセスを共有したいと考えているのです。

「診断士取得」と「経営支援サービス」立ち上げまでの軌跡

――どうして中小企業診断士を目指したのですか。

最初は、営業職として渋谷支店に配属されました。バブル崩壊直後でしたが、会社は拡大路線で、営業の最前線にいた私は、複合機販売のトップセールスとして実績を上げていきました。

そのようなときに会社が株式上場を目指す取り組みを開始いたしました。上場ということになると、売上高だけではなく社会的責任を果たすことも要求されます。会社はミッションステートメントを制定し、その具現化を使命として、トータルソリューショングループを新設し、私は立ち上げメンバーに選ばれました。当時の私は決められた商品を売り切る、という営業力には自信がありましたが、会社の使命を負った組織でお客様の立場で価値あるソリューションを提供していくためには経営に関する知識が必要であるということを痛感しました。そうして悩んでいたときに中小企業診断士の資格に出会いました。

――プロジェクト立ち上げに至る経緯を教えてください。

3回目の2次試験に失敗したとき、当初の目的であった経営に関する知識を習得するということはある程度達成していました。これ以上受験勉強を続けるのであれば、合格後のビジョンを明確に描く必要があると考え、「経営支援サービス」という取り組みを構想しました。

「経営支援サービス」は企業診断などのサービスをお客様に提供しています。お客様目線で課題の顕在化、解決方法の提示などの支援を基本無料で提供しています。この取り組みは会社が掲げる「お客様と共に成長する」という方針にも合致しており、合格の翌日には社内の承認を得て活動を開始しました。

伊藤一彦

伊藤一彦 取材の匠メンバー、中小企業診断士

1966年生まれ。神奈川県横須賀市出身。東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。以降、グループのリース会社やベンチャーキャピタル(現職)で計28年間法人向けの資金調達支援に従事。2019年9月中小企業診断士登録。趣味は中国古典等の読書の他、懸垂・握力強化等の身体の鍛錬。

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