【石川直紀さんインタビュー】ゼロから独学でつかみ取った一発合格

【石川直紀さんインタビュー】ゼロから独学でつかみ取った一発合格

【第2回 養成課程も考えた2次試験】
過去の記事:第1回

【石川直紀さんインタビュー】

診断士試験の受験生において、「何か得意分野の知識がもともとないと厳しいのかな、独学では無理なのかな」という不安は大きい。しかし、もともとの基礎知識がなく、かつ独学で、さらに小学生の子供が3人いるという状況でも見事に一発合格を勝ち取った受験生がいる。そんな状況を克服した合格者である石川直紀さんに話を聞きました。

周囲の支え

――現在担当されている業務を教えてください

現在は経営企画を担当しています。日常業務としては、予算の取りまとめ、月次の営業報告資料の作成、中長期計画の推進業務や社内監査における監査役の補佐、さらには建設業なので建設業許可や入札参加資格の申請・更新作業も担当しています。

――会社には診断士試験を受けていることは話していたのですか?

1次試験が受かった後、2次試験に受かる気がせず、何年も受けていくことへの不安もあったので養成課程を検討しました。全日制の場合は休職をする必要が出てくるので、検討する中で上司に相談をしました。

――会社は理解をしてくれたのですか?

養成課程を検討したときに相談をしていた上司が、私が合格後に新たな資格手当を作ってくれました。建設関係なのでもともと技術的な資格、技術士とか施工管理技士等は資格手当があって会社としても推奨しているのですが、経営系の資格はそれまで見過ごされていました。部署移動の話も合格後ではなく、養成課程についての相談に絡めて出てきたものです。

――小学生のお子さんが3人いらっしゃる中で養成課程を検討するのは勇気がいると思いますが、奥様は理解をしてくれたのですか?

当時は中間管理職というのもあり不満が溜まっていた時期でもありました。中小企業診断士の勉強をしていて経営とはこうあるべきだ、というような色んな知識が付いてくる中で悶々としていた部分もありました。

また、2021年の4月に骨髄移植をした経験も大きかったです。患者さんの情報は匿名なのでわからないのですが一度だけお手紙をいただくことがあり、人の役に立つことができたということで、自分の人生一回なので後悔のないようにやりたいという気持ちが盛り上がっていました。そうした気持ちを妻に理解してもらっていたと思います。

過去問をやりぬいた2次試験

――最終的には養成課程ではなく、2次試験を受験されて合格されました。どのような勉強方法をされていましたか?

本格的に2次試験の勉強を始めたのは1次試験が終わった後でした。例年よりも1次試験と2次試験までの間が短く2.5ヶ月ぐらいしかなかったので、その中でできる限りやろうと、大体300時間ぐらいは勉強しました。過去問の10年分ぐらいを印刷して5回ずつぐらい解いて、「ふぞろいな合格答案(同友館)」を使って採点しました。

――2次試験では、手ごたえはありましたか?

事例Ⅳに関しては80分では最後のNPV法の問題まで答えられないのがわかっていたのでその前の損益分岐点計算の問題も間違えていたら40点以下の一発落第点もあり得ると思っていました。ですので、自己採点をして、そこがあっていたときは事例Ⅳの一発落第点だけは回避した、と思いましたが、それ以外はわからないという感じでした。ですので、合格通知を見るまでは自分が受かったなんて全く思いませんでした。


齊藤 慶太

齊藤 慶太 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1983年生まれ。東京都出身。ITコンサルタント、メーカー経営企画・海外拠点駐在を経て現在はIT企業で新規事業やM&A等を担当。2020年中小企業診断士・全国通訳案内士(英語)登録、同年米国公認会計士試験全科目合格。東京都中小企業診断士協会城東支部所属。趣味は将棋(三段)、旅行(旧ソビエト連邦・朝鮮民主主義人民共和国を含む30ヶ国以上を訪問)

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