【中路慎哉さんインタビュー】過去から現在の保有スキルを棚卸し、そして未来への準備につなげる

【中路慎哉さんインタビュー】過去から現在の保有スキルを棚卸し、そして未来への準備につなげる

【第2回 受験仲間との鍛錬と一人での鍛錬】
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【中路慎哉さんインタビュー】

外資系企業でマーケティング担当として活躍している中路さん。第2回目では受験勉強の進め方や受験仲間との関係についてうかがいます。

1次試験対策は必要以上に手を広げずにテキスト集中戦略、2次試験対策は試行錯誤の連続

――1次試験、2次試験でそれぞれ苦労があったと思いますが、それぞれの経験や工夫点を教えてください。

1次試験は最初に通った受験予備校で当時の講師からテキストと問題集をこれだけやっていればもう充分ですと言われたので、その言葉を信じてテキストをとにかくやりました。あとは過去問をずっとやっていました。仕事がIT系なので情報システムが得点源にできたことも大きいですが、やはりテキストだけという考えからいろんなものに手を出さずに効率よくできたことで1次試験は最初の2016年から突破することができました。

1次試験に比べ、2次試験は本当に苦労しました。最初に2次試験を受けた時に苦手だったのは事例Ⅳで、いわゆる財務会計でした。最初はおそらく30点も取れてない状況だったと思います。翌年の2017年からは事例Ⅳの克服を課題として取り組み、診断士試験に合格したのは2022年の2月なのですが、合格前の2年間は事例Ⅳに受験勉強の半分ぐらいを費やしていました。それぐらいの時間をかけても理解できない部分が結構多くて、一人でやるのに限界を感じて、当時TACで知り合った仲間と有志の勉強会を開催し、そこでお互い教えあったりして、なんとかできるようにはなったのですが、今でもわからない部分がいくつ残っているかなとちょっとモヤモヤしている感じです。

――有志の勉強会は何年ぐらいやられていたのですか?

最初の4年間はTACに通っていたので勉強会は2年です。TACの立川校の8人ぐらいの非常に結束力が高い仲間で、5月の連休に合宿とか、夏休みも色々な場所を借りて勉強会を始めました。次の1次試験で合格者と不合格者が出た時に一旦、勉強会もなくなったのですが、その後も有志が4人ぐらいまた集まって、毎週日曜日に2次試験の過去問を解いて答え合わせをするという勉強会をやりました。
合格した年はコロナの影響で勉強会が思うようにできなくなってしまったのですが、勉強会の代わりにMMCやEBAさんの通信のカリキュラムを受講していました。最後は独学でした。

百文字訓練で磨かれたスキルと知識

――通信講座にはどのような効果がありましたか?

テクニカルな面では百文字訓練というやり方が自分にあっていました。2次試験の過去問から与件文を読まずに設問だけに百文字で答える。それを毎日やっていたのですが、その訓練が一番効いた気がします。百文字を書くスピードが体感的にわかり、質問に自分の知識だけで答えるということが鍛えられました。試験中によくわからない問題が出た時に、知識だけで書くことができるスキルや知識が付いたので、それが一番効果あったかなと思います。

――これまでの勉強で得た知識があるうえでのテクニカルな部分ということですね?

そうですね。2次試験の過去問はそれまでに何十回もやっていたのに点数がなかなか安定しなかったのですが、百文字訓練を始めてからは事例Ⅰが70点ぐらいを安定して取れるようになりました。中小企業診断士を目指している皆さんは、勉強のやり方とか時間の作り方、テキストとかノートの取り方、色々な工夫をされていると思います。全員に共通する良い方法はおそらく無くて、自分自身に合ったやり方をいかに早く見つけるかが一つのポイントになるかなと思っています。


関 哲生

関 哲生 取材の匠メンバー、中小企業診断士
電機メーカーの企業内診断士。約30年研究開発に従事し、現在はその開発経験を生かしたコンサルティング活動を行っている。東京都中小企業診断士協会城南支部所属

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