【中村友一さんインタビュー】人生の転機となった診断士資格~意志あるところに道はある~

【中村友一さんインタビュー】人生の転機となった診断士資格~意志あるところに道はある~

【第2回 四季折々、されど秋は二度来る】
過去の記事:第1回

【中村友一さんインタビュー】

中小企業診断士を目指したことで人生に転機が訪れた中村友一さん。第2回では、1年にわたる診断士試験について、どのような取り組みをされていたのかを詳しくうかがいました。

盛夏さなかの1次試験

――1次試験は7科目ありますけれど、その中で得意科目、苦手科目はありましたか?

銀行に勤めていたので、財務関係は、割とスムーズにできました。企業経営理論も割と好きでした。逆に、情報システムは辛かったです。1次試験は選択方式で暗記の試験だったので、基本的には、過去問や用意されていた問題集を解いていました。暗記にはあまり自信がなかったので、問題集をひたすら解いていましたね。その結果を踏まえて、もう一度、復習する形を何度も繰り返す中で覚えるようにしていました。

――1次試験では、全体で平均60点以上、個別科目で最低40点以上という合格基準がありますが、各科目の目標点数など戦略的に考えていたことはありましたか?

実は、全く考えていませんでした。正直言うとそこまで考える余裕がなかったというのが本音です。3、4ヶ月というのが長いのか短いのかわからないですけれど、それこそ、スケジュールを立てて時間を確保していました。あの時は、本当に大学受験よりも勉強しました。銀行からは勉強させてもらいながら、お給料ももらっているわけですから。今なら笑い話になりますけれど、当時は、これは絶対落とせないというプレッシャーが相当ありました。

木々染まる秋、返り咲く2次試験

――2次試験の取り組みはどのようにされましたか?

1回目の2次試験は独学で臨みましたがあえなく惨敗でした。2回目ではその反省を活かして、MMCという2次試験対策の学校に通いました。結果的には2回目で合格しましたが、実は2回目も最後まで自信を持って臨めたわけではなかったのです。というのも、どれくらい良くなったかなと思って、実際の2次試験の前に力試しにTACの模試を受けました。そうしたら、本当に0点に近くて、びっくりしたのを覚えています。さすがに2回目なので、あの時は、絶対落とせないなっていうプレッシャーが倍増しましたね。

――差し支えない範囲で結構ですが、MMCでは2次試験対策として、どのようなことに取り組まれていましたか?

MMCは、レイヤーという考え方で、今どこのことを聞かれているのかということを重視していました。何を聞かれているのかをきちんと自分の中で把握したうえで、それに対して漏れなく解答を書いていくという手法をとっていました。与件文の文章を分析するところに、力を入れていたと記憶しています。

冬来りなば春遠からじ、諸事万端の口述試験

――2次試験を合格されて、最後口述試験ですね。口述試験は、どのような内容でしたか?

口述試験はほとんどの方が落ちないと言われている試験なのですが、その割には、結構準備していかないと答えられないのです。その年に出題された2次試験の事例について、質問されました。2次試験の事例内容を基に、現状分析や課題解決などをどう考えていますか、というような質問内容でした。当然、その事例の与件文とか頭に入れていかないと答えるのは難しいと思います。

――口述試験を無事合格されました。プレッシャーも色々あったかと思いますけど、合格されたときの心情はいかがでしたか?

それは嬉しかったです。晴れて合格ですから。すぐに銀行にも報告しました。ようやく安心して春を迎えることができました。






井尾 生太

井尾 生太 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1980年愛知県生まれ、千葉県在住。プラントエンジニアリング企業で製油所や石油化学プラントの設計に従事。ブラジルの現場や中国の駐在など海外での仕事も多数。特許取得の経験を通じて、技術を売ることの難しさを経験。そのことが、中小企業診断士を目指すきっかけとなる。2022年5月に中小企業診断士登録、千葉県診断士協会、東京都診断士協会・城北支部所属。現在は、ものづくり補助金地域事務局などで独立診断士として活動中。

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