【大野千佳さんインタビュー】社内プロジェクトリーダーと、子供3人のお母さんを両立し、2次試験を2ケ月で突破!

【大野千佳さんインタビュー】社内プロジェクトリーダーと、子供3人のお母さんを両立し、2次試験を2ケ月で突破!

【第1回 2つの記念日:2022年1月14日】

【大野千佳さんインタビュー】

優しい表情の大野千佳さんは、「社内プロジェクトリーダー」と「3人のお母さん」を両立し、2次試験を2ケ月の勉強期間で突破されました。ドラマティックな合格発表日の様子と、試験突破のノウハウをお聞きしました。

運命の2022年1月14日

――2次試験の合格発表日のドラマについて教えてください。

2022年1月14日は2つの記念日になりました。1つは、2次試験の合格発表日、もう1つは、私がプロジェクトリーダーとして3年がかりで構築した、社内システムの全社運用開始日でした。午前9時、まず社内システムの運用が開始されました。次に午前10時、2次試験の結果発表時間となり、スマホで結果をチェックするために現場を離れました。

「あった!」思わず泣きました。同時に「実務補習の申し込みを早くしなければ」と思い、手続きをしようと思ったのですが、涙で目がかすみ、指が震えてなかなか申し込みを完了できませんでした。現場に戻ったのは10時30分頃。社内システムに関する問い合わせが殺到していました。中小企業診断士の合格発表があったことを知らない周りの目が「大野リーダーは30分もどこにいってたの?」と冷たかったことを思い出します。

――本物のドラマですね。「社内プロジェクトリーダー」と「子供3人のお母さん」との両立はご苦労が多かったのではないでしょうか。勉強時間の確保について教えてください。

今思うと、自分でもすごいなと思います。今も同じことができるかといったら、ちょっとできないかもしれないですね。受験を始めたときに、下の息子はまだ小学生で、それなりに手がかかりました。平日は、朝食作り、勤務が終わった帰宅後には夕食作り等の家事があるので、勉強は夜10時すぎから12時までの約1時間半、毎日行いました。休日は3時間くらいです。ちなみに、下の息子の中学受験本番中に、別室で待機している間、1次試験の経営法務の会社法を勉強していました。

――ご家族の協力はありましたか。

夫は仕事が多忙で戦力外でした(笑)。

2次試験を2ケ月で突破

――2次試験の勉強期間が2ケ月とお聞きしました。勉強方法を教えてください。

2021年8月に1次試験を突破した手ごたえがあり、そこから2次試験の勉強を開始しました。まずは「ふぞろいな合格答案(以下ふぞろい)」(同友館)の確保に苦労しました。早めに入手しておけばよかったと後悔しました。事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、ひたすら「ふぞろい」を使いました。最初は時間を気にせずに解きました。そのうちに自分の言葉で解答できるようになり、徐々に時間を短縮していきました。何回か解くうちに、2次試験の約2週間前、解答方法が見えてきたんです。

――2次試験の2週間前に事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの解答方法が見えてきたんですね。

そうなんです。社長の気持ちになって、全体を俯瞰し、ストーリーを書くことを思いついたんです。まず社長の気持ちから入るところですね。「この会社は俺の代でつぶせない」みたいな。これは勉強しながら突然に思いつきました。書き出したら意外といいかもと思ったので、最初の10分を使って社長の想いを書くことに決め、実行しました。特に事例Ⅱは試験中に楽しくなったんです。

事例Ⅳの難問は苦労しました

――事例Ⅳの勉強は何をしましたか

「事例Ⅳの全知識全ノウハウ」(同友館)をやりました。経営指標の読み取りは楽しかったので、まずはそこを中心にやりました。すべてを解くことは無理だと考え、捨てる問題は捨てようと考えていました。2021年の事例Ⅳは難問で、ほぼ途中は全滅だったかもしれません。最後も問題の作文は良かったかもしれませんが、足切りを覚悟していました。結果は52点でした。 事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの貯金があり、1回目の2次試験を、2ヶ月間の勉強で合格できました。




刈谷 力

刈谷 力 取材の匠メンバー、中小企業診断士
新潟市生まれ。横浜市在住。東北大学卒業後、化学メーカーに入社。品質管理、営業、購買・輸出入業務を36年経験。60歳。2020年中小企業診断士登録。事業承継士、AFP、通関士(資格保有)、中小企業庁M&A支援機関、1級管工事施工管理技士、知的財産管理技能士。中小企業の経営者の想いに寄り添った事業計画策定支援等を行っている。東京都中小企業診断士協会(城南支部)、神奈川県中小企業診断協会に所属。好きな言葉:知好楽

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