大手企業に所属しながら、定年を前に中小企業診断士の資格取得を決意。千葉商科大学の養成課程に通い、2023年に中小企業診断士登録をされた窪田恭之さん。第3回は養成課程の受験とご自身の今後についてお話いただきます。
養成課程の受験
――最近養成課程は大変人気があって、受講試験も厳しいと聞いています。試験について教えてください。
私の時にも、志願者は多かったようです。教室で待っている人の数を数えただけでも4から5倍くらいの倍率があったのではないかと思います。また個人面接だけではなくてグループ討議がありました。与えられたテーマについて他の志願者と討議をし、それを先生方が前で聞いているのです。
――これから養成課程の受講試験を受けようと考えている方にアドバイスをお願いします。
とにかく養成課程なら楽に中小企業診断士になれると考えているのなら大間違いだと思います。2次試験に落ちたから養成課程でも受けようか、といった感覚や志では養成課程への入学そのものも厳しいです。千葉商科大学のように大学院のカリキュラムの一環として養成課程を持っているところでは修士論文を書くことも必要になってきます。ですから受験の時には自分自身が大学院で何をやりたいかということもある程度固めておかないといけません。中小企業診断士になります、だけでは合格できないしくみになっています。基本的には1次試験を合格していることで、ベースの学力は持っていると大学側は認識しているので、ここで何をしたいかが重要になります。
セカンドステージへ向けて
――窪田さんは中小企業診断士の登録をされましたが、今後はどうされる予定ですか。
最初は中小企業診断士の資格を取ることが目標でしたが、取得してみるといかにこの資格を仕事に活かしていくかが本当に大事だとわかってきました。また、独立する、しないに関わらず自分自身のキャリアアップを目指して努力することで、新しい人生の扉を自分で開くことができると感じています。自分は千葉の住民ですからセカンドキャリアとしては、中小企業診断士として千葉の中小企業の課題解決のお手伝いをしていきたいと考えています。事業承継や資金調達などいろいろ悩まれている中小企業は多いと思いますので信用保証協会の専門家派遣などでお役に立てるような形にしたいです。
――最後に養成課程に進んで中小企業診断士の資格を取得しようと考えている方にメッセージをお願いします。
自分自身のキャリアは自分でつくるものというように社会が変化してきているので、中小企業診断士を目指すのは、自分にとって何なのか、と自分自身に問いかけてほしいです。それが自己実現に対してプラス、あるいは必要だと思われるのなら養成課程も中小企業診断士になるための一つのルートと考えていただければいい、と思います。 千葉商科大学は実習先にしても地元が多く、地元企業さんの認知度は非常に高くなっています。また千葉県中小企業診断士協会に関しても、会員には千葉商科大学養成課程のOBが沢山いらっしゃいます。そういう意味では、これから資格を取得して千葉県を中心に活動したいと考えている方にとっては千葉商科大学の養成課程は非常に価値が高いところです。
中村 友一 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1962年生まれ。千葉県在住。地方銀行勤務を経て2023年独立。銀行勤務時には8年間事業承継担当として1,000社以上の中小企業経営者と面談し事業承継に関するアドバイスを行う。中小企業診断士登録は2013年4月。 千葉県中小企業診断士協会所属。趣味ゴルフ。