【上塘裕三さんインタビュー】地元九州の中小企業経営を手助けする「町医者」を目指して

【上塘裕三さんインタビュー】地元九州の中小企業経営を手助けする「町医者」を目指して

【第3回 自身と受験生に込めた、熱い思い】
過去の記事:第1回第2回

現勤務先を2024年9月に早期退職し、中小企業診断士として独立することに決めた上塘裕三さん。第3回では、独立に向けて今後どのように活動していくかを語ってもらった。さらには受験生へのメッセージもお伝えする。

受験情報はYouTubeで獲得

通信教育で学んだ上塘さんが、どのように情報取集を行ったかについても触れたい。受験仲間は敢えて作らなかったこともあり、YouTubeなどインターネットを情報源とした中で、偶然見つけた「まとめシート流!絶対合格チャンネル」は、よく見ていたとのことである。具体的な解き方の解説があり、自身の勉強スタイルは間違っていないと思えたり、同じような考え方で解いていることに共感できたのが理由だ。玉石混交の情報の渦の中で、過度に情報に惑わされず、自身に適した情報を取捨選択することも、中小企業診断士試験を乗り切る重要な要素と言えそうである。

独立に向けた取り組み

上塘さんは、現在独立に向けて着々と準備を進めている。まずは知識・自信をより確実なものとするため、インプットに重きを置いている。現在は、「町医者」として活動していくためにはインタビューのスキルが必要と考え「取材の学校」で学んでいるが、その後はウェブマーケーター講座の受講を予定している。ウェブマーケーターを選んだのは、会社勤めで30年以上営業に携わった経験から、販売系で頑張りたいと考えたからだ。ウェブマーケーターの知識は、「町医者」になった時、田舎とは言えインターネットの活用は必須のため、小売業支援に役立つと判断している。さらには、デューディリジェンスの講座受講も検討中とのことである。色々な相談に対応できる「町医者」になるための準備に余念がない。

とは言え、退職後すぐに九州に戻り、「町医者」として開業するわけではない。当面は自宅のある神奈川県を中心に中小企業診断士としての活動をスタートさせ、知識・経験の積み重ねを図るつもりだ。現在は一般社団法人中小企業診断協会に所属していないが、退職するタイミングで一般社団法人神奈川県中小企業診断協会に入会する予定である。入会後は、人脈形成を図りつつ、販売系や組織・人材系の研究会に入りたいと言う。組織・人材系については、人材不足に悩む企業が多い中で、中小企業診断士としての支援がますます求められると考えるからだ。そうやって神奈川県で経験を重ね、実力を蓄えてから地元に戻り、地元中小企業の経営を支援することを目論んでいる。

中小企業診断士の魅力

「活動範囲が特定分野に限られないので、色々なことにチャレンジできるのが中小企業診断士の魅力である」と上塘さんは語る。さらに「中小企業という、日本経済を支える裾野を保つための仕事なので、やりがいも大きい」と続ける。上塘さん自身、「1つのことに特化したスペシャリストよりも、まずはあの人に聞いてみたら何か答えを出してくれると周囲に期待されるような中小企業診断士となること」を目指し、今後どんどんとチャレンジしていくつもりである。

最後に受験生、特に自身が選択した通信教育での受験生に対するメッセージをお願いした。

「受験勉強はそれなりに厳しく大変かとは思うが、諦めずにやり続ければきっと合格できる。自分を信じてやり続けて欲しい。また、そのためには自分が取り組んできたことが正しかったと信じ込めるくらいに、徹底的にやり遂げて欲しい」

「通信教育は自分がやりたい時に勉強できるのが、メリットでもありデメリットでもある。むしろ通学で縛りをかける方が、確実性が増すとも言える。よって、通信教育を選ぶ際は、ズルズルと時間ばかり経過するリスクがあることを十分に承知したうえで、自分の将来のために勉強しているという強い気持ちを持ち続けて取り組んで欲しい」 最後まで上塘さんの表情は人懐っこく、そしてハートは熱いままだった。








加藤 裕之

加藤 裕之 取材の匠メンバー、中小企業診断士
石川県金沢市出身、神奈川県横浜市在住。大学卒業後、大手制御機器メーカーに入社。3年半の中国・上海駐在時含め、主に管理会計業務に携わる。社内異動で業務が変わったことをきっかけに、中小企業診断士資格の取得を目指す。退職後は、嘱託職員として独立行政法人中小企業基盤整備機構で、中小企業の海外展開支援に従事。2021年4月に中小企業診断士登録。一般社団法人東京都中小企業診断士協会城南支部所属。

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