【菅野靖雄さんインタビュー】スタートアップや若い会社をサポートしたい!日本を元気にするため診断士試験に挑戦

【菅野靖雄さんインタビュー】スタートアップや若い会社をサポートしたい!日本を元気にするため診断士試験に挑戦

【第3回 次なる舞台、広がる中小企業診断士の世界】
過去の記事:第1回第2回

大手電機電子メーカーに入社して以来、32年間にわたり経営企画・経営管理業務を担当してきた菅野さん。2020年に役職定年を迎えたことをきっかけに、自身のこれからのセカンドキャリアとして選んだのは中小企業診断士であった。今回は診断士試験に合格した菅野さんの現在地と将来の診断士像にせまる。

社内には積極的に活動する先輩診断士がたくさんいた

2次試験に晴れて合格した菅野さん。当面は企業内診断士として知見を深めることを優先し、独立については時間をかけてよく検討する考えでいる。そこで、まずは情報収集も兼ねて同じ会社内の診断士会に参加し始めた。そこでは月に1回程度、診断士資格の保有者が集まり、参加者間で自分の活動状況を共有したり、他の会社と連携して実務従事の機会を創出しているという。こうした先輩診断士との接点のおかげで、中小企業診断士のリアルな活動内容をイメージできるようになった。受験生時代は、おぼろげに「2次試験の与件文に書かれているような業務」を想像していた菅野さんだが、実際の活躍の場は執筆に携わったり、補助金の申請支援をおこなったり、実務従事のレポートを書いている人がいたりと、中小企業診断士の業務の多様さとネットワークの広さを実感した。さらに、副業申請をして収入を得ている人が思ったより多いこともわかり、新たな気づきがたくさん得られた。

菅野さんは、会社の業務が忙しくなったために、2024年2月に予定していた実務補習への参加を見送った。次の機会に参加するまでに時間が空くことから、社内の先輩診断士に「この期間に何かおすすめの活動はないか?」と相談したところ、複数の「取材の学校」卒業生から講座の内容を紹介された。取材のスキルを獲得し、実際に収入も得ているという受講後の活動状況を聞いて、「自分も挑戦してみたい!」と思い受講を決意した。地道ながらコツコツと実績を積み上げる先輩診断士の話を、自らのキャリア形成の参考にしている。

自らの手で日本を元気にしたい!

社内の診断士会を通じて、次第に中小企業診断士の活動に関する理解を深めている菅野さん。現時点ではまだ自分のステップは決まっていないものの、将来の中小企業診断士のビジョンは明確である。それは、次世代の経営者を支援し、彼らの成長を介して日本を元気にすることである。これまでのキャリアで築いた経営企画・経営管理に関するさまざまな知見、ノウハウ、経験があるからこそ、自信を持って自らの想いを口にできる。具体的な支援内容を質問したところ、その回答は「事業継承」。過去にM&Aを手掛けた経験が生きるためだ。決して一朝一夕では獲得できない数多くのスキルや経験が菅野さんの強みである。

教材はしっかり吟味して選んで欲しい

最後に、これから勉強を始める受験生に向けて、菅野さんにメッセージを求めた。

「もちろん、勉強時間の確保は重要である。しかし、自分に合った勉強スタイルをしっかり吟味してから勉強を始めて欲しい。予備校、通信教育、独学とそれぞれに長所と短所がある。どのスタイルが自分に適しているのか、無理なく継続するにはどの方法がベストであるのか、見極めることが大事。教材も実際に手に取って見比べる。こうして決めた教材を何度も何度も繰り返し使い倒す。こうした勉強方法が結果的に物事への考え方を深め、知識の定着につながる。」

自らの受験勉強の失敗や成功の経験を振り返りながら、ゆっくりと熱く語ってくれた。








杉本 剛

杉本 剛 取材の匠メンバー、中小企業診断士
大阪府豊中市出身。東京協会中央支部所属。大学では薬学を専攻し卒業後に薬剤師資格を取得。大学院では創薬研究に携わり学位(医学修士)取得後、製薬会社に入社する。自社医薬品の育薬(有効性と安全性のデータを蓄積し新薬をより良いものへと育てること)と営業支援業務に従事する。その後、マーケティング部門で自社製品の成長戦略の策定と新薬開発プロジェクトに参画する。医療やヘルスケア分野に強みを持つ。

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