【石川達也さんインタビュー】「一呼吸」置きながら努力を続けた8年間。試行錯誤の末、導き出した合格戦略とは

【石川達也さんインタビュー】「一呼吸」置きながら努力を続けた8年間。試行錯誤の末、導き出した合格戦略とは

【第3回 資格を超えた可能性。中小企業診断士が描く未来像】
過去の記事:第1回第2回

【石川達也さんインタビュー】

商社で経理をはじめ多岐にわたる業務を手掛ける、石川達也さん。中小企業診断士を目指す中、多忙により勉強に集中できない時期もあったが、8年間の努力の末に無事合格。大手IT企業から6回の転職を経て中小企業に入社し、社長に寄り添いながら挑戦の日々を送っている。 第3回は合格後の変化や将来のビジョンについて詳しく伺った。

資格取得から広がる世界

中小企業診断士としての資格を活かす道は、単に専門知識を駆使するだけに留まらない。石川さんによれば、資格取得後の彼のキャリアは、予想外の方向に拡がったという。特に、人々との出会いが、彼の職業的かつ個人的な生活に豊かな彩りを加えている。石川さんは、「中小企業診断士の資格を持つことで、様々な背景を持つ人々と出会う機会が増え、それが大きな変化をもたらした」と述べる。

具体的には、石川さんは、東京都中小企業診断士協会三多摩支部でのプロジェクトを通じて、様々な業種のプロフェッショナルと協力関係を築いた。その一例として、彼は様々なメンバーと協力し、一級建築士の方のWebサイト構築のプロジェクトに取り組んだ。この建築士とは彼の出身地が同じであることから親しみを感じ、仕事を超えた個人的な関係へと発展した。今では、Webサイトの更新だけでなく、個人的な相談にも乗るほどの関係になっている。

石川さんの例から見て取れるのは、中小企業診断士の資格がもたらす「つながりの広がり」である。中小企業診断士の業務は多岐にわたり、時には予想外の領域でそのスキルが生かされる場面に遭遇する。そして何より、人とのつながりが専門的なスキル以上に価値を生み出すことも少なくない。

将来の展望

石川さんは中小企業診断士としての深い知識と経験を活かし、「日本の伝統工芸品を世界に広める」という壮大なビジョンを抱いている。特に「江戸切子」に注目し、「この美しい伝統工芸品を通じて、日本文化の素晴らしさを国内外に伝えたい」と考えている。海外へアプローチができるマーケティングや、個人事業主の方々を組織化し事業を推進していくことも目指しているという。「これらの伝統工芸品は補助金の不足など課題に直面している。こういった課題に対処しながら、伝統工芸品の魅力をより多くの観客に訴えかけるためのスタートを切っていきたい」と熱く語る。彼の目標は、単に商品を売ることではなく、文化の架け橋としての役割を果たすことでもある。

中小企業診断士を目指す皆様へ

受験経験を経て中小企業診断士として活躍する石川さんが、受験生に対して試験勉強の過程で心がけるべき姿勢について語った。

「試験勉強は決して容易な道のりではありません。しかし、諦めずに継続することで、意外とよいことがあります。諦めるというよりは、一呼吸置いて進める方が、きっとモチベーションもゼロにならず、またぐっと上がる機会に恵まれると思うので、ぜひ一呼吸することを覚えて臨んでいただきたいです」と石川さん。石川さん自身、試験勉強中は何度も壁にぶつかったが、 それを乗り越えるたびに「一呼吸置く」という方法で気持ちを切り替えた。これは、一時的に勉強から離れて息抜きをすることで、精神的なリフレッシュを図り、再び勉強に向かう際のモチベーションを保つ手法である。

勉強を続ける中で大切なのは、「自分自身を過剰に追い込まないこと」。適度にリラックスする時間を設け、継続することが合格への近道だと改めて気が付かされる一言だ。中小企業診断士としてのキャリアをスタートさせた今、石川さんは、得た知識と経験を生かし、さまざまな企業や業界で貢献している。また、試験合格はゴールではなく、その後のキャリアにおいても自己成長の糧としている。








三笠 じゅん

三笠 じゅん 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県出身で、現在は東京都在住。通信事業者に入社し、海外支店駐在後グローバル部門にて海外キャリアとの交渉や、法人向けサービス企画、フロント営業など幅広く従事。またプロジェクトリーダーとして、国際首脳会議での日本の魅力発信や、他多数の社内外横断プロジェクトを立ち上げ、推進。更なる自己研鑽のため2022年に中小企業診断士を取得。仕事と育児の両立を目指すワーキングマザー。

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