【第3回 橋渡し役として次のステージへ】
過去の記事:第1回、第2回

大手IT企業のUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナーである畑山誉(はたやまたかし)さんは、中小企業診断士資格を取得した今、改めて自分の役割を考えているという。第3回では、中小企業診断士としての今後の展望と、これから試験に挑む受験生へのメッセージを聞いた。
見えてきた「つなぐ」役割
UXデザイナーとして、ユーザーのニーズを把握し、使いやすさや満足度を追求して製品やサービスを設計してきた畑山さん。顧客の視点に立ち、開発やマーケティングの現場と協働する日々の中で、中小企業診断士の学びは、彼の視野を大きく広げていった。
自分の専門分野だけではなく、自分とは立場が違う分野を知ることで、企業活動全体について実感をもって理解できるようになったという。
「自分の経験を活かした製品やサービスの開発支援はもちろんですが、企業経営と製品開発を横断する橋渡し役になれたらと思っています」。
その言葉には、UXデザイナーとして積み重ねてきたキャリアへの誇りと、中小企業診断士としての新たな可能性に向かう意志がにじむ。
経営者と開発現場を橋渡しする存在へ
例えば、ある中小企業の経営者が「ソフトウェア導入に関してこういうことを実現したい」と考えたとき、その思いをかたちにするには、開発現場との意思疎通が欠かせない。しかし、経営と製品開発、双方に通じている人材はそう多くはない。
「経営者の思いをしっかり受け止めて、開発側に正しく伝える。そして、開発現場の状況や制約を経営者にわかりやすく届ける。その両方を担える存在になりたいんです」
これは、製品開発の現場で手を動かしてきた経験と、中小企業診断士としての新しい学びを重ねてきた畑山さんだからこそ語れるビジョンだ。
専門を越えて、自分の役割を模索
中小企業診断士の学びを通じて、畑山さんの中で「橋渡し役」という役割が、より現実的なものとして輪郭を帯びはじめている。ビジネスのしくみを理解し、技術の言葉を翻訳し、顧客視点で伝えていく。畑山さんが経験してきた技術開発、商品企画、デザイナーといった専門領域に、企業経営全般の知識が加わった。そんな複数の領域をつなぐ存在として、自分にできることはまだまだあるのではないか、そう思えるようになったという。
「中小企業診断士としてどんな場に立つかは、まだこれから。それでも、これまでに積み重ねてきたキャリアと、中小企業診断士としての新しい知見。それらをどこでどうかけ合わせられるかを考えるのが、いま何より楽しいんです」
中小企業診断士としてすぐに独立する予定はない。それでも、今までの自分の経験や考え方が活かせる、社会の中で自分が果たすべき役割を、静かに模索している。
新しい世界が広がる
最後に畑山さんに、中小企業診断士を目指す受験生へメッセージをもらった。
「私はまだ中小企業診断士として登録したばかりですが、いま目の前にはたくさんの道が開けているように感じています。中小企業診断士の世界に少し足を踏み入れてみて、多様な活躍の場があることを実感しました。だからこそ、自分の可能性を広げたい方にとって、とてもおすすめの資格だと感じています。ぜひ合格を勝ち取って、新しい世界の扉を開いてください」 畑山さんの目の前には、新しい世界が広がっている。その先に、どんな挑戦が待っているのか。彼の視線は、すでに次のステージを見据えている。

菊池宏行 取材の匠メンバー、中小企業診断士
新潟県出身、東京都在住。2025年中小企業診断士登録。地方銀行に32年間勤務し、法人営業、事務企画、有価証券運用責任者、支店長を経験。2025年に上京し、現在は都内のコンサルティング会社で中小企業の資金繰りや事業承継の支援に携わっている。証券アナリスト、FP1級、宅地建物取引主任者などの資格を保有。
