【菅田裕之さんインタビュー】大企業18年目社員が見つけた使命〜埋もれた日本の財産を次世代へつなぐ中小企業診断士への道

【菅田裕之さんインタビュー】大企業18年目社員が見つけた使命〜埋もれた日本の財産を次世代へつなぐ中小企業診断士への道

【第3回 埋もれた財産を輝かせ、娘によりよい日本を残したい】
過去の記事:第1回第2回

前回は、勉強方法と挫折、そして合格への転機についてお聞きした。最終回の今回は、中小企業診断士として今後どのような活動を展開していくのか、そしてその根底にある想いを伺う。

日本の技と文化を次世代につなぐ企業支援

晴れて中小企業診断士に合格した菅田さん。現在は県の中小企業診断士協会の研究会を覗きながら、自分に合った研究会に所属してみたいと思っている。目指すのは「埋もれた財産を価値あるものに変える」支援だ。

菅田さんが特に支援したいのは、日本の技を子供たちの世代に残す企業である。伝統工芸や修理技術を扱う中小企業がその対象となる。興味深いのは、海外との認識のギャップへの着目だ。

「欧州では日本の精神性、例えば茶道や武道といった『道』の考え方に非常に興味を持っており、関連書籍もよく売れています」と菅田さんは語る。一方で、日本人は今そこにあまり注意を払わず、お金もかけられていない。このままいくと、そういった産業が廃れていく可能性があると菅田さんは危惧する。

お城に泊まる、お寺に泊まるといった新しい取り組みもある一方で、ロングライフデザインでずっと昔から使われている日用品など、誰もその存在を知らないまま続いているが、儲からずにギリギリでやっている企業も多い。そうした「埋もれた価値」に光を当てたいという思いが強い。

組織の中の「埋もれた人材」を輝かせる

菅田さんの関心は企業の技術や文化だけにとどまらない。企業内の人材面でも「埋もれた財産」発掘に強い関心を持っている。これは、エンジニア時代のマネージャーとして組織統廃合を経験したことから生まれた思いだ。

組織統廃合の経験を通じて実感した「組織のあり方、作り方、配置で、人はやっぱり生き生きしたりしなかったりする」という気づきから、適材適所による人材活用支援にも取り組みたいと考えている。「企業の中で、モチベーションや能力が十分生かされていない人材は数多く存在する。そうした人たちを、やりがいを持って、もっと元気よく働けるようにしたい」という思いがある。

娘によい日本を残したい~すべての想いの原点

企業の技術・文化の継承と人材の活用。この2つの軸での活動を支えているのは、愛娘によい日本を残したいという父親としての純粋な思いだ。「娘にいい日本を残してあげたいなという気持ち」が、企業の中でも中小企業診断士の仕事でも一貫した原動力となっている。

菅田さんは、今後、大企業での豊富な経験と中小企業診断士という立場、この2つの視点を活かして日本の企業を元気にしていきたいと考えている。埋もれた人材を輝かせ、日本の伝統技術や文化を次世代につなぐ。それらすべてが、子供たちによりよい未来を残すという1つの大きな目標に向かっている。

受験生に贈る「段階的成長」への信頼

そんな菅田さんにこれから中小企業診断士を目指す受験生へのメッセージを伺ったところ、試験制度そのものへの率直な感想を語った。

「中小企業診断士の試験ってすごくよく設計されているなと思ったんですけども、段階的に人をつくる、手厚い試験制度だと感じました」。1次試験で知識を身につけ、2次試験で診断実務の模擬を行い、口述試験でなぜ中小企業診断士になるのかを自らに問い直す。そして実務補習という形で実際の企業の診断をする。「1つ1つステップを上がっていけば、きっと中小企業診断士になれるステップに設計されている」と評価する。

道のりの中で苦しい時期があることは避けられない。しかし、菅田さんはその意味を受験生に伝えたいと考えている。「自分はなぜここまでして勉強をするのか、問い直しながら、自分の中にある思いを言語化していくことが、勉強を継続させるモチベーションになると思います」。

「何かに向き合うからこそ、自分が見えてくる機会、やりたいことの解像度が上がってくる機会になると思うので、その期間を味わい深いものにしていただくのがよいのではないかと思います」。そんな温かいエールを菅田さんは受験生に送っている。








栗野 将徳

栗野 将徳 取材の匠メンバー、中小企業診断士
BtoBマーケティングの実務経験と中小企業診断士としての理論的知見を組み合わせ、企業の成長支援に取り組んでいる。特に新規事業立ち上げフェーズにおける集客からコンバージョンまでの一気通貫した仕組み作りを得意とし、多くの企業の0→1達成をサポートしてきた実績を持つ。

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