【村上雅一さんインタビュー】選んだ道を正解に。診断士資格が開くキャリアの可能性

【村上雅一さんインタビュー】選んだ道を正解に。診断士資格が開くキャリアの可能性

【第3回 踏み出す一歩で生みだす連鎖】
過去の記事:第1回第2回

【村上雅一さんインタビュー】

ネットワークインフラの設計・構築・ソリューションを提供する企業で社長を務める村上雅一さんは、10か月という短さで中小企業診断士試験をストレート合格した。2024年に診断士登録後、執筆活動を中心に実績を積んでいる。これまでの活動を進めるなかで感じた中小企業診断士に対する思いと今後の歩み方をうかがった。

何事もまずはやってみる

診断士登録後、「ふぞろいな合格答案エピソード17(同友館)」など着実に執筆の実績を重ねている。

「去年は、ふぞろい関連の執筆がほぼメインでした。何人かでチームを組んで本を書いていました。結構大変でしたが、思ったより楽しかったです。執筆をする楽しさに目覚めてしまった感じですね」

もともとは診断士試験に合格したあと、執筆をやりたいとは思っていなかった。

「そこからご縁があり、直近では「企業診断(同友館)」の連載にも携わらせてもらいました。そしてさらに城南支部からの執筆依頼や取材の学校への参加にもつながりました」

「本当に恵まれたと思います。うまく連鎖しました。いまでは執筆がすごく好きです」

何事にもまずはチャレンジしてみること。その大切さを感じ取ることができた。何気なく踏み出した一歩が思いがけないチャンスを呼び込み、そこからまた新たな展開が「連鎖」していく。

中小企業診断士に限らず、自ら道を切り拓こうとする人にとって、欠かせない姿勢だ。

診断士取得で広がるキャリアの選択肢

中小企業診断士になってみて、嬉しい誤算があったという。

「会社に属していると色々なタイプの人がいますが、中小企業診断士の皆さんは総じてポジティブな人が多い印象があります。さらに、試験を乗り越えてきた優秀な方々でもあるので、関われることがとても嬉しいです」

かつて、ネットで見かけた中小企業診断士への意見に一抹の不安を覚えたことがある。1次試験の合格後、購入した参考書が手元に届くまでの間、中小企業診断士について調べなおしていた。合格が現実味を帯びてきたタイミングで、これから進むべき道について改めて考える余裕が生まれた。

しかし、いまでは、世の中のサラリーマンはみんな中小企業診断士を目指したほうがよいと語る。

「私自身、中小企業診断士に合格したことがきっかけで社長へ抜擢されました。社内で合格をアピールしていると、『腕前を見せてほしい』というお声がけいただきました」

中小企業診断士の道は独立だけではない。サラリーマンとして企業内にいても、診断士資格がステータスアップにつなげられることを伝えたいという。

「選択肢が多いですし、すごくいい資格だと本気で思っています」

「会社だと、どの部署にいても評価される資格ですよね。生かせるかどうかは自分次第ではありますが、世の中のサラリーマンにとっては一番可能性が広がる資格だと思います」

老後の不安が希望に変わる

「いずれ定年が見えてくるので、4~5年後にはスパッとやめて独立しようというのは考えています。60歳を過ぎたら地元に帰るので、実家がある京都の地盤で、事業承継地域の活性化・街起こしに興味がありますね」

京都府には過疎化が進む地域があるという。さらに、診断士協会に在籍する中小企業診断士の人数も少ないときいた。実家に帰るたびに、地元へどうにか貢献したい気持ちに駆られる。

「地元のためにもなるし、近年増えている伝統産業の事業承継問題で、中小企業診断士の自分が求められる場があるはず。積極的に関りたいです」

地域貢献を見据える姿からは、中小企業診断士の取得を通じて得た自信が滲む。かつて抱いていた「老後への不安」はない。連鎖して広がる未来への確かな希望が感じられた。








佐藤 弘直 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都目黒区在住。2025年に中小企業診断士に登録。目黒中小企業診断士会所属。新卒で入社した化学メーカーで業務プロセス改革・DX推進部門に従事し、主に社内の営業部門へ販売戦略立案・実行を支援する。専門は統計解析、行動経済学。趣味は地元の商店街巡り。

拓け!中小企業診断士の扉~受験奮闘編~カテゴリの最新記事