【第3回 20代の時に思い描いたかっこいい30代になるために】
過去の記事:第1回、第2回

大手化学メーカーの営業職としてグローバルに活躍する H.Tさん 。多忙な日々を送りながらも、2025年に中小企業診断士の資格を取得した。その経緯と今後の展望について話を聞いた。最終回では、中小企業診断士の資格取得後の「ありたい姿」について迫る。
中小企業診断士の魅力
H.Tさん が中小企業診断士試験に合格してから暫くは、燃え尽きたことで空白期間があいていたという。「最近は朝活の勉強もしていなくて、その空白期間が少し嫌になって、活動を始めることにしました。本業だけだと考え方が固まってしまう。他社交流ではないですけど、より広い視野を持つために、取材の学校やタキプロという受験生支援の団体に所属し、活動を開始しました」
取材の学校とは、中小企業診断士が取材や執筆スキルを磨くための場である。中小企業診断士、ライター・編集者として活躍する講師陣が登壇し、取材のノウハウを伝授する団体だ。
また、タキプロとは中小企業診断士試験に合格したメンバー約1,100名で構成され、受験生の試験合格を支援する団体である。 H.Tさん が受験生時代にもっとも参考にしたブログがまさにタキプロであった。その恩返しの意味も込めて、現在はこの団体で自身の勉強ノウハウをブログに執筆し、受験生の支援に取り組んでいる。
こうした活動を通じて、自社や所属業界の枠にとらわれず、他社と交流することで視野と視座を高められる点が、中小企業診断士の資格の魅力の1つだと語る。
かっこいい30代になりたい
とはいえ、 H.Tさん は中小企業診断士の資格を、今いる職場を軸に活かしたいと考えている。
「これまで、20代の頃から自己研鑽を続けてきました。簿記、英語、宅建、といった資格に加え、フルマラソンにも挑戦しました。その背景には、かっこいい30代になりたいという思いがあったからです」
その「かっこいい30代」の具体的なイメージは、まだ漠然としているという。
「まだはっきりしていません。でも、周囲にいい影響を与えられる人間になりたいと思います。そして、5年後までにマネジメント職について自分のチームを持って仕事をしていきたいです」
1つの高い目標に向かって、共に努力できるチームを作りたい。そして、メンバーがモチベーション高く働ける環境を構築できるリーダーになりたいと考えている。
「そのために、中小企業診断士の資格はおおいに活かせると思います。財務やマーケティングの知識を実践に活かし、数字が伸びる組織を作ることで、メンバーが楽しく働ける環境を作れるはずです。売上が伸びている事業で働かないと、そこに関わる人たちもやっぱり楽しくないでしょう」そう笑いながら H.Tさん は語る。
合格後のゴールを見据えて
最後に、これから中小企業診断士試験に挑む受験生へのメッセージを聞いた。
「この試験は大変で、途中で諦めたくなることもあると思います。でも合格後のゴールを見据え、最後まで粘り強く頑張ってほしいです」 H.Tさん は、資格を取得する前は「合格すれば1つのゴールになる」と考えていた。しかし実際に資格を得てみると、それはむしろ新たなスタートだったという。
「私自身もこれからどう進んでいくか迷うこともあります。しかし、勉強で学んだ知識はすぐに仕事に活かすことができ、そのうえ資格取得後は視野が凄く広がりました」 資格取得はゴールではなく、さらなる成長へのスタートラインだ。これからも挑戦しつづける H.Tさん の姿が、次世代の挑戦者たちへの勇気となるだろう。

清野 裕樹 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県横浜市出身。総合人材サービスの会社で顧客の人事・人材課題の解決支援に従事。企業内診断士として、チャレンジする人と組織の支援をテーマに活動。企業の事業計画書作成支援、受験生支援の講師業、「ふぞろいな合格者答案」の執筆等を手掛ける。趣味はランニングとお酒。毎朝6キロ走ってから仕事に行くのが日課である。
