【第2回 リセットされた状況に挑む】
過去の記事:第1回

大手総合商社に勤務し、グローバルに活躍される種本淳利さん。
海外転勤により長らく試験を受けられない期間もあったが、自分なりの勉強方法で合格。
第2回では合格にいたるまでのプロセスをうかがった。
海外生活ですべてがリセット
2回目の試験後にアブダビへ飛び立つこととなった種本さん。
初めての生活環境と慣れない仕事に追われる日々。当初、診断士試験のことは頭に無かったわけではないが、多忙な日々に勉強をする時間は取れなかった。
当時はインターネット環境も今ほど発達しておらず、海外にいながら勉強することはたとえ時間が取れても難しい。
4年間の海外生活を終えたころ、中小企業診断士のことはすっかり頭から抜けていた。
帰国後は久しぶりに帰った日本での生活は楽しくあっという間に数年がたった。
そんな暮らしの中、ふとした時に以前勉強していた診断士試験を思い出した。
「あんなに頑張っていたんだからせっかくならもう一度トライしよう」
心の奥底にあった気持ちが再燃する。
しかし、テキストを見直すと以前の知識はすっかり忘れ去さられていた。
一方で勉強をせずとも海外での業務を通して財務面の知識はさらに増し、以前よりも経営層の考え方に近づいたようにも思える。
種本さんの新たな挑戦が始まる。
勉強再開と感じた疑問
再度目指すと決めてからは早かった。以前と同様に予備校に通い勉強を再開。知識は抜けていたが、予備校の教えはわかりやすく順調に進んでいった。そのまま迎えた1次試験に合格。
あっという間に以前と同じ土俵に帰ってきた。
迎える2次試験にもしっかりと時間をかけて勉強を進める。しかし、1次試験の時ほどのわかりやすさを感じなかったようだ。毎週予備校に通い、勉強した感覚はあるもののどこか自分のものにできていない。そんな感覚を持ちながら迎えた2次試験。3度目の不合格だった。
1次試験に落ちる気はしない。ただ、2次試験に受かる気もしない。
「このまま同じことをやっていたら次も同じ結果になる」
そう考えた種本さんは予備校に通うことをやめ、独学で挑むことを決める。
私は非常に勇気のいる意思決定だと感じ、当時の思いを聞いてみた。
「もうどうにでもなれと思ってやってみた」
種本さん自身はある種の開き直りのように話されていたが、私は話を聞くとそれだけではないように感じた。種本さんは今までの予備校で教えられるやり方に限界を感じ、自分が一番やりやすい方法を見つける必要性を感じていた。そのため、学んだ方法から取捨選択を行い自分が正しいと思った通りにやる必要があると感じていた。
つまり、予備校の教えを守らずに取り組む必要性を感じていた。
その意味で「どうにでもなれ」という言葉が出てきたのではないだろうか。
初めての独学に挑戦
予備校通いを辞めた種本さんは、図書館に通うようになり対策方法を検討した。
問題の一つに時間内に解答を書き上げられないことがあった。解決するために時間がかかっていることを減らす作業を始めた。線を引く時間、必要な内容やワードを整理する時間、わずかなことかもしれないがこれらを効率化してシンプルに対応していくことにした。
「正直ね。あんまはっきり確信がないもんですから何がよかったかよくわからない」
そう語る種本さんは様々な工夫を凝らしていた。今までとは異なるスタイルに不安ながら楽しみもあったのかもしれない。また、模索する中で得たものも多かったのではないだろうか。
工夫を凝らし初めて独学で挑んだ。

中川 淳一朗 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1992年生まれ。神奈川県横浜市出身東京都在住。大学卒業後に製造系商社営業、転職エージェント(キャリアコンサルンタント)を経て、現在は製造業メインのコンサルタント業に従事。企業のDX推進や原価管理や利益計画等が得意。2022年キャリアコンサルンタント登録 2025年中小企業診断士、ITコーディネータ登録
