【永岡伸一さんインタビュー】学ぶことをやめない永岡さんは、なぜ中小企業診断士にたどり着いたのか

【永岡伸一さんインタビュー】学ぶことをやめない永岡さんは、なぜ中小企業診断士にたどり着いたのか

【第2回 中小企業診断士の勉強方法と得られた学び】
過去の記事:第1回

大手金融機関の店舗運営マネージャーである永岡さんに、企業内診断士として中小企業診断士資格の活かし方や取得するまでの経緯と今後の活動への意欲をうかがった。第2回では、中小企業診断士資格の勉強の方法と試験から得られた学びを聴いた。

中小企業診断士資格取得は、最初から目指していたわけではない

中小企業診断士資格取得へのきっかけは、当時の上司が「超忙しかったけれど7科目中2科目合格したんだ」と自慢げに話していたのを聞いたことだという。合格していないのに何を自慢しているのだろう、と当時の彼は思ったそうだが、その「中小企業診断士」という単語が頭にこびりつく。

調べてみると、それまで自分が勉強してきたファイナンシャル・プランナーや証券アナリストと内容が重なる部分も多く、ちょうど次に学ぶものを探していたこともあり、「ああ、よしいいな」と目を付けたのだ。周囲に中小企業診断士の知り合いがいたわけでもなく、資格を取って何をしたいという明確な目的も、当時の彼には全くなかった。ただ勉強したことが仕事に合致する、という感覚から始まったという。

ゲーム感覚でこなしていく

1次試験の勉強方法は、資格の学校TACの通信講座を利用した。学習計画というよりも、配信されるテキストと講座を順次こなしていくというスタイルだ。基本的な勉強の仕方は、自分の時間割に勉強時間を「ぶっこむ」ことだった。

彼は夜が苦手な朝型人間で、勉強時間を朝の時間、そして土日の朝から午前に集中させた。平日の4時に起床し、会社の近くで一番早く開いている喫茶店で、出社までの1時間程度を勉強時間に充てる。土日も朝早くから2、3時間程度を勉強に費やす。月単位にどこでどれだけ勉強するかを手帳に書き込み、その通りに実行したという。通信講座のチェックリストを使って、講義をクリアしていくのを「ゲーム感覚」でこなしていった。予備校が出してくるカリキュラムを忠実にこなせば受かるはず、余計なことはしない方が良い、という考え方だった。「合格するぞ」と強い目的意識を持って始めたわけではなかった。実務補習の存在も、合格した後に知ったくらいだ。

唯一の誤算である2次試験から得られた学び

そんな永岡さんにとって、唯一の誤算が2次試験だった。それがどういう試験なのか、しっかりとリサーチすべきだったと悔やんでいる。当時の彼は、中小企業診断士の業務を「診断先の会社自身が見えていない特性や特質的なものを自分で生み出し、独特のアイデアを出す」コンサル業務だと誤解していた。変わったことが好きな自分の性格もあり、問題文から思いもつかないアイデアを出そうとしていた。問題文のキーポイントだけに注目し、他の文章をすべて捨て去るようなことをしていた。これは、対策問題集をちゃんと読んでいれば「全部使う」のが当然だとわかるはずのことだった。真逆のことをやっていたのだ。

2次試験を通じてぶち当たった「壁」は、まさにこの計画不足、そして試験の性質を誤解していたことだった。当時の自分に会社経営を任せていたら、同じように計画を立てずに壁に突っ込んでいただろうと感じている。

この2次試験の失敗から、永岡さんは重要な学びを得た。試験で求められているのは、自分の独特な視点やアイデアを出すことではなく、「当たり前の答え」だということ。問題文に書かれている情報をすべて活用し、万人が正しいと認識できる答えを出すことが基本であり、独特な視点はそのさらに上のレベルで必要になるものだと理解した。これを彼は、著名なテレビプロデューサーの五味一男氏の言葉を引用し、テレビ番組の視聴率に例えてこう説明する。

「『自分の得意な領域で特別なものを作るのではなく、平均的な視聴者が好きそうなものに希釈して作る方が視聴率が取れる。つまり、当たり前の視点でやることが最終的に数字につながる。』中小企業診断士試験においても、自分の独特な視点は誰も求めていない。まずはしっかりと受かることが大切であり、そのためにはどういう試験問題が出て、どういう答えが要求されているのかを当たり前に分析し、予備校などのプロが出すカリキュラムを真剣にやることが重要だ」と語った。そのように意識した結果、診断士試験に合格した。








中坪孝太

中坪孝太 取材の匠メンバー、中小企業診断士
北海道生まれ。大学卒業後、日用品の製造会社において営業に従事し、営業所長としてマネジメント業務も行う。販路拡大や、お店の売り場づくり、棚割の作成などに取り組む。2021年1級販売士。2025年中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城北支部に所属。

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