【猪瀬記利さんインタビュー】 人の自己実現の応援が私の使命だと、やっと気づいてきた

【猪瀬記利さんインタビュー】 人の自己実現の応援が私の使命だと、やっと気づいてきた

【第2回 キャリアの全てが今につながっている】
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【猪瀬記利さんインタビュー】

2017年に独立し、企業の研修講師として活躍されている猪瀬さん。独立に至るまでのキャリアと、今の仕事に生きている経験を伺いました。

キャリアの転機で診断士を志す

――診断士として独立するまでのキャリアを教えてください。

新卒で株式会社リクルートに入社し、新卒向けの求人広告制作や求人情報誌の編集に携わっていましたが、1999年に転職してコールセンターの管理業務をやりました。2001年に再び転職し、転職サイトの運営企業でサイトの立ち上げと運営を担当しました。2007年、38歳の時に診断士の勉強を始め、7年間の勉強期間を経て2014年に合格。翌年に資格登録して、2017年には独立を果たしました。

――診断士を目指したきっかけを教えてください。

3社目で経験した転職サイトの立ち上げは激務でしたが、ゼロから作り上げていく過程が非常に面白かった。ところが、サイトの土台ができてくると、作るフェーズから運営するフェーズに変わっていったのです。給料も上がり、時間の余裕もできるけれど、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントで言うところのキャッシュカウの状態になってしまう。「このままだと俺腐っちゃうな」という危機感がありました。

仕事で転職サイトを手掛けていましたから、自分の市場価値は何となくわかり、今のスキルだけではだめだと。その時、広い視野で物事を考える助けになりそうな診断士の資格を取っておこうかと思ったのです。

全ての経験が糧になる

――今までのキャリアは現在の仕事に生きていますか。

不思議と生きていますね。リクルート時代、広告制作や編集で身につけた人に何かを伝える際の構成力が、研修のコンテンツ作りに生きています。転職サイトの仕事では、さまざまな業種の会社を訪問して社長から新入社員までインタビューをしましたが、「この業種では経営者や従業員がこんな感覚を持って働いているのだな」という勘所がわかるようになりました。

例えば、「職場の問題解決」という研修があります。職場の問題には、経営から見た問題と、働く人の立場の問題があって、それらが乖離していることが多い。私は診断士の立場から経営の問題がわかりますし、転職サイト時代の経験から働く人の肌感覚がわかる。両者をうまく橋渡しできる役割を実感しています。

また、コールセンター経験は1年くらいしかなく、自分では強みではないと思っていましたが、その経験が昨年の一番の収益源になっているのですから不思議なものですね。

川瀬 朋子

川瀬 朋子取材の匠メンバー、中小企業診断士

千葉県出身。大手小売企業に入社以来、食品部門にて店舗開発・バイイング業務、経営企画部門にて組織改正・企業理念・財務企画に従事。2019年に中小企業診断士登録後は、小売業での現場経験と経営的知見を生かし、雑誌・書籍執筆や企業支援に携わる。

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