【中尾友和さんインタビュー】 「唯一無二」を実現するコンサルタントとは

【中尾友和さんインタビュー】 「唯一無二」を実現するコンサルタントとは

【第3回 唯一無二の診断士になるには】
過去の記事:第1回第2回

【中尾友和さんインタビュー】

コンサルティングには「質問力」が大事と語る中尾友和さん。その醍醐味を味わえる「中小企業診断士」とは一体どういった存在なのか語っていただきました。

集中した方が売上を上げられる。

――診断士は質問力を上げることで何を引き出せるのでしょうか。

実はとある相談会で、質問力によって経営者も納得できる解決策を引き出せて、「神様だ」とまで言われたことがあるんです。

小規模のコーヒー豆屋さんだったんですが、なかなか売上が上がらなくてどうしたらいいのかという相談でした。そのお店は開業3年目でSNSをやったり、喫茶コーナーを設けたり、売上を上げるために色々なことをされていました。やらなければならない事が増えて忙しいのに売り上げは上がらない。どうすれば良いのか分からない。とおっしゃっていました。

そこでこう質問しました。「売上に貢献している上位のお客さんが買っていないものは何ですか?」続けて「それらを削ったら売上が下がりますか?」と。そのうえで「上位のお客さんが買ってくれそうな商品を新たに開発しましょう。」と提案しました。

すると、その経営者の方は何かに気付いたように「そうだそうだ」と納得の表情を浮かべており、後日、「稼働時間が減ったのに、売上が上がった、ありがとう」と嬉しいお言葉をいただきました。

つまり、重点顧客、もしくは重点サービスを明確化することで重点施策を決めることができ、初めて売上を上げることができるということです。とくに小規模事業者は「捨てる顧客層、商品やサービス」を明確にし、どの顧客層、商品やサービスで「一点突破」するかが大事で、それを見つけてあげることなんです。

仮説を立てて自分の「唯一無二」を見つけていく

――診断士自身が「一点突破」して活躍するためにはどうしたらいいのでしょうか?

自分の中で仮説を立てて人と会話することです。自分の中にこれという仮説がないのに話をしても、聞き手は何を答えて良いのかわかりません。仮説を立てて相手にぶつけてみる、そして対話の中からまた新たな仮説を立てて話をすることです。

「中小企業診断士」という仕事はない

――最後に中小企業診断士とはどういう存在だと思いますか?

診断士の先輩がおっしゃっていたことなんですが、「中小企業診断士という仕事はない。」というんです。凄いことを言うなと思ったのですが、考えてみると補助金申請書作成のサポートとか事業計画を作るサポートとかはあるものの、傍からは何しているのか分かりにくいですからね。

逆に言うと「売上を上げるなら中尾」と言うように、傍からわかる特徴がないと声がかからないということです。

――単に診断士ということではなく「唯一無二」の何かをもって勝負しなければならないということですね。貴重なお話ありがとうございました。

西島 拓

西島 拓 取材の匠メンバー、中小企業診断士

神奈川県横浜市出身。旅行が趣味で2015年に全都道府県踏破を達成。その時に目の当たりにした地方経済の厳しさに強い問題意識を抱き2020年1月に独立、東京を離れる。現在、山口県萩市の地域おこし協力隊としても活動中。

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