【第2回 唯一無二を引き出す唯一無二の存在】
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ほかの社員がやらないことを実行して営業としての頭角を現した中尾友和さん。診断士として独立後「唯一無二」をモットーにして活躍をされています。今回はその「唯一無二」の神髄に迫ります。
相手にとってかけがえのない存在であること。
――「唯一無二」という言葉はどのようにして選ばれたのですか。
サラリーマン時代から「人より高く売ることが出来るのが営業の実力」だと思っていました。決して「高く売りつける」ではないですよ(笑)なので利益率にはこだわりました。でもそのためには、何か「唯一無二」のものがなければいけない、その思いを引き継いで僕の会社のモットーとして掲げることにしました。
――「唯一無二」のものがなければいけない、とはどういうことですか?
「唯一無二」というのは決して何か尖ったものがなければいけない、ということではなく、相手にとって「かけがえのない存在」であればいいんです。
経営コンサルでいえば、相手の会社が世の中で「かけがえのない存在」になるために、自分が「かけがえのない存在」になるということです。僕の場合、そのためのツールが「営業支援」でした。
営業支援でかけがえのない存在になる
――いつごろから営業支援がご自身の特徴だと気付かれたのですか?
開業して3年目のとき、公的な支援で営業研修をやる機会がありました。それまで営業コンサルはやっていたのですが研修という形は初めてでした。
それでいざ4回の研修を終えてみると、なんと受講生5人で新たに71社も契約が取れたと言うんです。
これで自分のノウハウに自信がつき、営業支援に特化すればやっていけると思いましたね。
――売上を上げるためにはどうすればいいのですか?
売上は市場に対して、自社に勝てる要素があるかどうかにかかっています。勝てる要素があるならばあとはその行動量を増やせばいいのです。
でもトップセールスだけで成長してきたような会社は、どうしたら売れるのか社員にうまく説明できないことが多いんです。それを体系化してあげて、他の社員が実行できるようにするのが僕の仕事です。
実行を促すために質問をうまく使う
――社員に実行してもらう為にどのようなことに気を配っていますか?
社員が自分で思っていることと外から思われていることは大体違うんですよね。だから外からの眼が大事なんです。でも、ただ外から言われただけでは実行に移せない、自分で答えを出さなくては駄目なんです。だから僕は着眼点を社員に投げかけて、自分で気付いてもらうようにしています。この質問力が営業支援で大切なんです。
第3回に続く

西島 拓 取材の匠メンバー、中小企業診断士
神奈川県横浜市出身。旅行が趣味で2015年に全都道府県踏破を達成。その時に目の当たりにした地方経済の厳しさに強い問題意識を抱き2020年1月に独立、東京を離れる。現在、山口県萩市の地域おこし協力隊としても活動中。