【鈴木七瀬さんインタビュー】尊敬する上司が背中を押してくれた中小企業診断士の道

【鈴木七瀬さんインタビュー】尊敬する上司が背中を押してくれた中小企業診断士の道

【第1回 自らの多様性を模索するために 

【鈴木七瀬さんインタビュー】

新卒から総合商社に入社して9年目になる鈴木七瀬さん。2021年4月からは、水素を使った街づくりや、水素のインフラ事業に携わっています。規模の大きな仕事をしながらも、個としての専門性・多様性が必要と考えて、診断士試験を受験されました。第1回は、現在の仕事内容や中小企業診断士を目指したきっかけについてうかがいました。

会社に溺れないよう専門性を持ちたかった

――大企業で規模の大きな仕事をされていますね。どうして診断士試験を受けようと?

会社では、業務の一部分しか担えないんです。商社の人って、ゼネラリストってよく言われるんですね。色々やっているのに専門性を築きづらい。そのうち自分が成長できているかどうか、わからなくなってしまうんです。僕は、その中で溺れてしまうのが怖くて、何かやらなきゃって。多分、圧倒的に自分に自信がなくて、何かやってないと怖いんですよ。それを、新人時代からお世話になっている上司に相談したら、中小企業診断士っていうのがあるよって教えてくれて。それがきっかけですね。

――自分に自信が無いなんて、イメージからは想像できないですね。今されているお仕事は影響が大きく、やりがいも大きいのでは?

影響の大きさに自分の中でまだ価値を見出せていないんです。影響を与えたい人って、まず、こういう世界にしたい、という思いがあると思うんですよね。でも、僕はそれがまだフワフワしているから、そういう思いになれないのか。自分でもよくわからないんですけどね。

ずっとエネルギーという人の顔が見えない仕事をしてきて、もっと人の顔が見える、ありがとうって言ってもらえる仕事がしたい。自分がやった仕事の実感を持ちたいなって。もちろん今だって想像力を働かせれば、間接的にみんながごはんを作れるのはこれを届けているおかげだよな、あぁ嬉しいってなるのかもしれないですけど。やっぱり普段の生活で想像がつかないというか。

上司に、消費者に比較的近いブランディングに興味がありますって話をしたら、「街づくりって、街っていうブランドを作るという観点で、やりたいことに近いのでは?」と言われて。街づくりに関わるようになりました。

中小企業診断士は自らの多様性の一つであり手段

――中小企業診断士に合格されて、本業に生かせている点はありますか?

仕事の中で自分の理解を深められているという実感はありますね。財務会計や企業経営理論は、社内カリキュラムで勉強したことがあったんですが、今思うとあまりわかってなかったですね。財務会計は、事業投資をする中でなんとなくわかっていたものが、診断士試験の勉強をしたらすごくクリアになって。ここはこういうロジックだ、というのが体系立ててわかるようになりました。

企業経営理論もそうですね。マネジメント向けの資料に書かれていることを見た時に、定数目標の裏にあるのはこういう考え方だよな、とか気付けるようになりました。それに、具体例だけではなく、抽象度を上げて見られるようになったと思います。

――本業以外で中小企業診断士の資格を生かしてやりたいことはありますか?

中小企業診断士を主軸としたキャリアは、今のところあまり考えてないんですね。イントラパーソナル・ダイバーシティって言葉があるんですけど、今はそれを模索したいんです。一人内多様性、つまり、夫である自分とか、総合商社に勤める自分とか、デザインができる自分とか、自分の多様性を広げていくという。それが自分の自信にもつながるだろうなと。

多様性の一つとして、中小企業診断士の自分。中小企業診断士は独占業務がない分、色んなことに挑戦できるじゃないですか。取材もその一つですけど。なので、自分が本当に突き詰めたいことが見つかるまで、色んなことを探せる手段として、中小企業診断士を使いたいなと思っています。

江川 香子

江川 香子 取材の匠メンバー、中小企業診断士

東京都出身。大学卒業後、医療ガス・医療機器ディーラーに入社。同一企業で約10年、医療機関に対する営業職に従事。第一子産休育休中に、中小企業診断士試験を受験。2020年度に合格。2022年に中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城北支部に所属。2022年9月から都内のコンサルティングファームに勤務。

 

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