【関谷由佳理さんインタビュー】諦めない。8年間の受験勉強で見つけた答え

【関谷由佳理さんインタビュー】諦めない。8年間の受験勉強で見つけた答え

【第1回 決めたからには】

【関谷由佳理さんインタビュー】

8年間の受験期間を経て、2020年に中小企業診断士の資格を勝ち取った、関谷由佳理さん。銀行の法人営業に従事し、忙しい日々の中で中小企業診断士を目指していました。受験期間中には2度も、1点足りずに2次試験合格に至らなかったことも。なぜ8年間もの長い間、モチベーションを維持し、挑戦し続けることができたのでしょうか? その理由をお聞きしました。

私はお客様に価値を提供できているのだろうか? 金融業界に対する危機感

――銀行の法人営業をされながら、8年間も受験勉強をするのは大変だったと思います。長い受験期間を支えた診断士を目指す動機は何だったのでしょうか?

10年ぐらい前、30歳を迎えた頃に、銀行の法人営業を続けることに疑問を感じるようになりました。その頃、銀行が斜陽産業と言われ始めていたことがきっかけだったのかもしれません。日本の銀行が今までやっていた、単なるお金の貸し借りだけでは、産業として立ち行かなくなるかもしれない、という危機感がありました。

例えば、私たちは、1つの取引先について、預金や貸し出しのシェアを1%でもあげようと営業活動をします。当然ながらそれはとても大切なことで、私たちはそのために必死に営業をしています。ですが次第に、「他にもっとお客様に提供できる価値があるのではないか?」と思うようになりました。

――銀行の法人営業で、さらにお客様に価値を提供できるようになりたい、と思われたのですね?

はい。法人営業を続けながら、当時、自分なりに銀行の将来の姿を思い描くようになりました。銀行の法人営業は、経営者との接点が多く、経営上の困りごとなど、経営者の生の声を聴くことができます。そこで得た情報を活用したコンサルティングで価値を提供する。これこそが銀行が存続し、発展していく姿ではないか。銀行の法人営業で、情報コンサルティングができるようになれば、さらにお客様に価値を提供できる。そう思って、診断士試験の勉強をしよう、と決意しました。

私はどうせ諦めないから“続ける”

――合格にわずかに1点足りないという経験が何回もありながら、8年間も試験勉強を続けるモチベーションは、どのように維持されたのでしょうか?

モチベーションは上がったり下がったりしていました(笑)。続けられたのは、私の性格によるところが大きいかもしれません。試験に限らず、決めたことはやり切らないと気が済まないタイプ。失敗すると、とても落ち込むのですが(笑)。「このままやり切らないで終わっていいのか!」という、心の声に押し切られて、また始めることが多いのです。このまま諦めたら後悔するし、いったん諦めても、自分の性格ではいつか再挑戦する。再挑戦するなら、間隔をあけずに挑戦し続けた方が、記憶したことを忘れないし、早く合格できると思いました。私の受験生仲間でも、試験勉強を中断する方が多いのですが、覚えたことや悔しい気持ちが鮮明なうちに勉強した方が、結果的に早く合格できる気がします。

――特に1点足りずに不合格になると落ち込んでしまうと思います。どのように気持ちを立て直したのでしょうか?

2次試験は正解がない試験です。合格者再現答案を見ても、年によって合格になる答案の質に、ばらつきがあるように感じました。正解がない試験なのに、1点足りなくて合格できなかったときは、なにくそ、と思っていましたね。合格の基準が曖昧なのに、わずか1点差で不合格になってしまう。不条理というか、理不尽というか、そんな試験に打ち勝ちたい、そういう闘争心みたいなものをかき立てて、気持ちを立て直していました。

大池 俊輔

大池 俊輔 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1975年神奈川県川崎市生まれ。東京工業大学大学院卒業後、総合化学メーカーにて、研究開発を経て知的財産部に所属し知財管理・活用に従事。2019年1月中小企業診断士試験合格。2020年2月中小企業診断士登録し、東京都中小企業診断士協会城南支部に所属。
日本国弁理士。趣味:ランニング、特技:クラシックギター。

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