【S.Sさんインタビュー】あなたの時間と経験はいくらですか?

【S.Sさんインタビュー】あなたの時間と経験はいくらですか?

【第1回 スキルアップで現業をアップデートする】

【S.Sさんインタビュー】

大手企業の監査部門に所属し、多忙な日々を送りながら、養成課程に通われ、2020年に中小企業診断士登録をされたS.Sさん。独立思考ではなく、スキルアップのための診断士取得を検討されている方々に対する気づきとなるよう、全3回の連載を通じて、具体的な養成課程の内容等を語っていただきます。
第1回は、中小企業診断士を目指したきっかけと、養成課程選択までの道のりについてお話をうかがいました。

同業の先輩にすすめられて

――中小企業診断士になろうと思ったきっかけを教えてください。

監査講習会で中小企業診断士の先生の方に、「非常にシナジーのある仕事だよ」とおうかがいして色々調べたところ、監査の仕事を深めるという意味で非常に役に立つ資格だということがわかり、取得しようと考えました。

――同業の先輩からすすめられるとすごく説得力がありますね。

はい。企業内で内部監査を行っておりますが、実際取得してみても、コンプライアンスやガバナンスを見るという点で非常に診断士業務と親和性が高いんです。

――では、業務に役立っていると

はい。あと監査の場合、どちらかというとリスクベース、悪い方で診るんですけど、中小企業診断士の場合は機会ベースで診るので、今の監査はリスクのみじゃなくて機会の方も求められているという点で非常に役立つ資格だなと考えています。

監査のミライ

――監査はチームで実施されるんですか?

チーム制ですが、実際はソロでありチームですね。例えば、グループ会社の場合、個々の会社は各担当が責任を持って診るけれども、グループ会社全体についてはリーダーがまとめて社長にお伝えするというイメージで考えていただけるとわかりやすいのかなと思います。

――そのチーム内で、他の方はリスクを指摘するけれどもS.Sさんはチャンスを伝えてあげることができる。そこにメリットがあるのでしょうか?

そういう方向に持って行きたいなとは思っています。実際は、私だけ機会の方をというわけにはいかないので、責任者と事前に方向性をすり合わせしたうえで、担当レベルで伝えてもよい点は伝え、全体として伝えないといけないようなことであれば責任者から伝えていただきます。

――ではS.Sさんの思いもチームの中で共有しながら、最終的にはチャンスも伝えられるチームになっていければいいですね。

そうですね。監査業務の中で求められていることでもあるので。一方で、それってなかなか難しいことでもあるんです。納得性の問題もございますので、時間をかけて少しずつ変わっていくところかなと思っています。

――面白いですね。組織風土を変えていくことにもなる。

そこまで大上段に構えるつもりはありません。部門としての存在価値をどう変えて、高めていくかという話じゃないかなと考えております。

実務経験を重視

――診断士取得に際しては、最初から養成課程を目指されたのでしょうか?

2次試験を受験しようと最初は考えていましたが、色々調べて、診断実習の充実している養成課程を選びました。中小企業診断士という看板を背負って仕事をすると考えた時に、2次試験合格後の実務補習は15日間で経験できても3社。自分の会社しか知らない人間が、実務補習後すぐに、実際の中小企業の社長に対して助言することに怖さを感じました。

なので、中小企業診断士の卵として、「許される」状態で経験を積みたいと考えました。また、養成課程だと診断実習が最低5回あり、日数も2次試験合格後の実務補修と比べ多めで、かなりきめ細かい指導があるということも魅力に感じました。ただ、実際は養成課程に落ちる可能性もあるので、受験勉強と両建てで進めていました。

――養成課程に入るために試験があるということですか?

面接と書類選考があります。小論文を書いて面接を受けてトータルで合格を決める形でした。

――S.Sさんが受けられたときの倍率は何倍くらいだったのでしょうか?

おそらく2~3倍だったと思います。

――そのハードルが少なからずあったので、最初は両建てで進めていたと。

おっしゃる通りです。




福岡 誠

福岡 誠 取材の匠メンバー、中小企業診断士
愛媛県出身。総合通販企業でBtoB事業に携わる企業内診断士。2021年11月に中小企業診断士登録。2021年は受験生支援団体タキプロにて、セミナーの運営やブログ執筆を行う。地方創生☆政策アイデアコンテスト2021(地方創生担当大臣賞(日本一)受賞)趣味:キャンプ・登山・ジョギング。元芸人。元役者。元市役所職員。

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