【狩野詔子さんインタビュー】 パラレルワーカーとして「儲かる中小企業サポーター」への華麗なる転身

【狩野詔子さんインタビュー】 パラレルワーカーとして「儲かる中小企業サポーター」への華麗なる転身

【第1回 社内外からのアプローチで生産性向上を実現する】

【狩野詔子さんインタビュー】

2018年5月に中小企業診断士登録。大阪にある大型テーマパークのインダストリアル・エンジニアとして,世界中からパークを訪れるゲストのため,日々改善活動に奔走する女性企業内診断士にお話を伺いました。

テーマパークを裏方として支えるエンジニア

――現在のお仕事について教えてください。

あまり一般的な職業ではないかも知れませんが,テーマパークにて“インダストリアル・エンジニア”として仕事をしております。製造業における「生産管理」に該当するお仕事です。

中小企業診断士試験について勉強された方は,1次試験の運営管理という科目で“IE(インダストリアル・エンジニアリング)”という論点を学習されるかと思います。

IE(インダストリアル・エンジニアリング)の考え方をサービス業に適用し,テーマパーク全体の生産性向上を実現することが,私たちのチームのミッションです。「ヒト・モノ・カネ・情報」といったあらゆる経営資源の投資効率を高めるために働いています。

――具体的にはどのような業務があるのでしょうか?

例を挙げるならば,「アトラクションをご利用いただけるゲストの人数を増やすにはどうすればよいか?」や「レストランのランチタイムに提供できる食事数を増やすにはどうすればよいか?」といったプロジェクトは,中小企業診断士の皆さまにはイメージしやすいのではないかと思います。

「国内サービス業の生産性を向上させる」という決意

――資格取得は現在のお仕事にどのような影響を与えていますか?

たとえば,テクニカルサービス部とともに「倉庫内在庫の効率化」に取り組んだ際には,「運営管理」の科目学んだマテリアル・ハンドリング(マテハン)の知識が大いに役立ちました。

いわば専門家ともいえる社内他部門の方々とも,一定の専門知識を持った状態でやり取りができるようになりましたので,信頼していただきやすいですし,コミュニケーションがとりやすくなったと感じています。

――個人としての活動ではいかがですか?

ニュースを目にされたことがあると思いますが,製造業に比較すると,サービス業の生産性は改善の余地が大きく残されており,まだまだ今後伸びる余地があると考えています。

近年,経済産業省や観光庁などが,宿泊業をはじめとするサービス業や観光業の生産性向上などに力を入れています。
ラグビーワールドカップ,東京オリンピックにはじまるゴールデンスポーツイヤー,そして2025年に大阪万博の開催を迎える日本においては,サービス業の生産性向上,あるいは投資効率の改善に注目が集まっています。

中小企業診断士にとって,このトレンドは避けては通れないものになるでしょう。

山本 哲也

山本 哲也
取材の匠メンバー,中小企業診断士
日本でいち早くフランチャイズチェーンシステムを取り入れ普及させたフランチャイザーに1989年から勤務,現在に至る。主に清掃衛生管理グループに所属し,清掃スタッフを皮切りに,全国のフランチャイズ店の育成・指導,事業計画の策定,新規事業開発,法人営業など一通り経験してきた。趣味は,ゴルフ,釣り,キャンプ,ランニング,サイクリング,温泉,飲み歩き。とにかくじっとしていられない性格。

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