【高橋良介さんインタビュー】中小企業診断士×キャリアコンサルタントでさらなる高みへ

【高橋良介さんインタビュー】中小企業診断士×キャリアコンサルタントでさらなる高みへ

【第1回 狭く深いが故の危機感】

【高橋良介さんインタビュー】

鉄鋼商社で海外向け船積み手配に携わりながら、東洋大学大学院の中小企業診断士登録養成コースを修了し、2022年に中小企業診断士登録された高橋良介さん。第1回は、資格取得を目指すきっかけから中小企業診断士養成課程(以下、養成課程)に進んだ理由までをうかがいます。

――鉄鋼商社に勤務されています。お仕事を通じてご自身をどう評価されていますか。

社会人になった2005年から一貫して国際物流の仕事に携わっています。人と人の間に立つことが多いので、「相手の立場に立ったコミュニケーション」を心がけています。「きめ細やか」、「バランス感覚がある」という評価が多く、まあそうかなと思います。

――診断士資格を取ろうとお考えになったきっかけは何でしょうか。

仕事そのものが面白い一方で、次第に狭い分野をやっていると感じるようになりました。2010年を過ぎた頃から、「これだけやっていていいのかな」、「このままではまずいな」という気持ちが芽生えてきて、何かやろうと考えていました。当時、結婚や引っ越しのため私生活も忙しかったので、落ち着いたタイミングで学ぶ資格を探し始めていたところ診断士資格に出会いました。狭く深くという仕事内容だったので、1次試験で幅広く学ぶところに興味を持ちました。

――実際に学習を始めたのはいつですか。

2013年の春からです。1次試験まで半年だったので、大手資格学校の通学講座を受講して1年目でまず3科目に合格しました。

24時間働けますか

――年目で残り科目の合格を目指したのですね。

はい、そのつもりでしたが2014年に異動があって非常に忙しくなりました。海外とのやり取りが増えて、時差の違いから土日や深夜に関係なく対応する日々が続きました。同じタイムゾーンでもトラブルがあれば朝3時に相手を起こして話をすることもあって、仕事とはいえ生活のバランスが取れなくなりました。子どもに手がかかる時期だったこともあり1科目だけ合格しましたが2年目でやめてしまいました。このままやっていたら体が壊れてしまうと思って挫折したのです。

――中小企業診断士を目指そうと思って勉強を開始しましたが、お仕事やご家庭の都合で一度中断されました。再開のいきさつはどのようなものでしょうか。

1つは、2018年に転職をする際に必要となった履歴書や職務経歴書です。それまでの自分の棚卸しを行いました。改めて自身がただのプレイヤーだと感じて、マネジメントも他の経営知識も全く知らないことに危機感を持ちました。
もう1つは、仕事がやや落ち着いた環境になったからです。転職とはいっても出向の形で2015年から在職していたので勝手はわかっていました。出向元の会社を退職しようと考えていた時に、当時の出向先に一般採用という形で入りました。仕事は忙しかったのですが、時差の少ない地域を担当していたため、振り回されることは減りました。再び大手資格学校に通って学習を再開。1次試験に合格しました。

確実性を求め養成課程を選択

――2次試験ではなく養成課程を選ばれた理由をお聞かせください。

実は2次試験も一度受けています。受験の権利を持っているので一回だけやってみたいなという気持ちがありました。事例Ⅱで失敗してしまい判定はBでした。養成課程を選んだのは、向こう1年、2年のスケジュールを固めて、確実に診断士資格を取りたいという思いが強かったからです。会社の仕事がいつ変わるかわからないですし、子どもは少し大きくなっていましたが、まだ手のかかる時期でした。

――養成課程出身者の方はそもそも2次試験を受けないのでしょうか。

2次試験を1回も受けないで養成課程に入ってくる人は結構いると思います。私のクラスメイトでも数人はいました。他の養成課程を修了した知り合いの中小企業診断士の方は、一度も2次試験を受けたことがない同期が、クラスの半分以上を占めていたとおっしゃっていました。




石川 慶成

石川 慶成 取材の匠メンバー、中小企業診断士
東京都在住。金属加工会社に勤務。技術営業、工程設計、購買、生産管理、加工、検査測定、品質保証に従事。品質管理責任者として工場内の統括にあたる。専門分野はISO9001。小さなカイゼンで日本のものづくりを末端から支える。2022年11月中小企業診断士登録。東京都中小企業診断士協会城東支部所属。

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