【加藤昌毅さんインタビュー】2次試験の壁、越えて進む独立診断士の道

【加藤昌毅さんインタビュー】2次試験の壁、越えて進む独立診断士の道

【第3回 独立の先に見据える未来】
過去の記事:第1回第2回

【加藤昌毅さんインタビュー】

家業で中小企業経営の経験を積み、独立診断士になることを決断した加藤昌毅さん。第3回は独立までの準備期間の活動、今後のビジョンについてうかがいました。

いざ独立へ

――2015年に合格してから独立するまでの間、具体的にどのような診断士活動をしてきたのですか。

本業以外で言うと、当時所属していた東京都診断士協会の城南支部の研究会とマスターコースがあげられます。マスターコースは「城南コンサル塾」です。経営計画策定や事業承継を学び、塾の先生とのご縁で、ものづくり補助金の申請を手伝うこともありました。振り返れば、「城南コンサル塾」で独立するための知識とノウハウを勉強することができました。ほかには、もうなくなったのですが、「東京プレゼン塾」というデリバリースキルを学ぶコースにも通いました。受講したことによって、当時勤めていた会社で、ビジネスゲームや商品企画発想、ものづくりに関する研修を行いました。結局、知識があっても、発揮しないと能力の定着や向上につながりません。独立するまでに様々な実践の機会を得ることができました。

――いつ頃から独立を考えていたのでしょうか。

いろいろな人の話を聞いていると、なかなか会社に依存するだけでは厳しいと感じていました。年齢を重ねると会社員には役職定年制度もありますので、独立は常に意識していました。いつかそういう時期がくるだろうと。

――独立することに対してご家族はどういった反応でしたか。

もともと、診断士試験に合格した時から、妻は「志をもって、いつかは独立するべきだ」と言っていました。会社員ですと、なかなか活動に自由が利かない部分もあります。「勉強したことを発揮するためには独立したほうがいい」という考えでした。どこまで本気で言っているのかはわからなかったですが。独立については、家業を売却したタイミングでもあったので一つの区切りではありました。

経営者の伴走者として

――独立診断士として、この先の未来像を教えてください。

直近では補助金申請のお手伝いが中心になると思います。ただし、それをメインにはしたくないです。ご縁があって補助金申請のお手伝いをした美容サービス会社の経営者は素晴らしい志を持っていました。安価な美容サービスが台頭するなかで、真に技術のある職人が減っていることに危機感を抱いていたのです。そういった職人の火を消さないために教育施設を作りたいという熱い思いを語ってもらい、ぜひ取り組みを支援したいと感じました。どうしても補助金メインだと関係が短期的になってしまいます。それよりも志や思いを持っている経営者と長い関係を築くことで、いろいろなお手伝いやコンサルティングを行っていきたいです。

中小企業診断士を目指す受験生へのメッセージ

――最後に、これから診断士試験を受験される方へのメッセージをお願いします。

「諦めないこと」が大事だと思います。特に2次試験は暗記偏重の試験ではないので、「年を取ったからダメだ」ということもないです。実務に関係する科目も多いため、「テキストで書かれていることが自分の会社でどうなっているか」といった視点で勉強することをおすすめします。例えば、経営法務であれば特許権や意匠権など、実務と比較しながら取り組むといいです。ずっと勉強していれば、そのうち受かる資格です。楽しみながらやっていくのがいいと思います。



井上 雄介 取材の匠メンバー、中小企業診断士
1983年生まれ。愛媛県松山市出身。大学卒業後、地元の情報通信系企業に勤務。工事管理業務を経験した後、経理業務に14年間従事、現在に至る。財務・会計以外の幅広い知識習得を目指し資格取得を決意。2021年度診断士試験合格。2023年2月中小企業診断士登録。愛媛県中小企業診断士協会所属。

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