【第２回 ベストを求め続けて２次試験に挑む】
過去の記事：第１回
地元密着型の広告代理店にお勤めの喜多佐智浩さん。会社の市場拡大のミッションとして、自治体向けの広告企画及び法人営業を推進し、仕事の範囲を全国に広げています。そんな全国を飛び回る状況の中で試験勉強を進め、見事2021年度に中小企業診断士試験に合格しました。試験勉強の取り組みでは、自身の納得感を常に大切にしています。第２回は、２次試験を受験する直前までの取り組みについておうかがいしました。2020年度の２次試験の受験回避を決断し、2021年度に向けて自分の型を作り上げていきました。そこには妥協を許さず、常に自問自答し続けた喜多さんの姿がありました。
１次試験合格年の２次試験は、試験日直前まで悩み抜いた末に受験回避
――２次試験の勉強はいつから開始したのでしょうか。
2020年度の１次試験通過を知ってからです。それまで２次試験がどのようなものかを把握していませんでした。改めてテキストや問題を見始めて、「なんだこれ？」 というのが最初の印象ですね。これ試験なの？ 国語の試験じゃないの？ と思ったのを覚えています。
――１次試験終了後から２次試験まで時間が限られていましたが、試験勉強は進んだでしょうか。
勉強を進めていましたが、納得いく答案が書けないと感じ、試験直前までそれが続きました。受けようか受けまいかを自問自答していましたが、試験本番５日前、やはりやめようと決め、受験を回避しました。試験に向けて準備できた、と思えなかったのが決め手でした。
2021年度の２次試験に向けて再始動、納得するまで何度も取り組む
――２次試験合格目標を１年後の2021年度に見直しました。その他に見直したことはありますか。
資格学校を再検討しました。選定で考慮したのは、出張が多い状況でネット環境がなくても勉強できることでした。具体的には動画ダウンロード・CD・DVDの提供有無です。さらに各種口コミを確認し、サンプル講義を見て教え方に納得できたことが、その学校に通う決め手になりました。
――資格学校を決めました。２次試験の勉強方法で工夫したことはありますか。
２次試験は、１次試験と同じやり方は通用しないと思いましたので、自分で考えて工夫しました。具体的には、私は書くスピードが遅いと認識していましたので、試験時間80分間のタイムマネジメントをしっかり作り込ました。何分経過したら、骨子を固めていなくても書き始める、などです。また、各事例は複数の設問に回答しますが、個別最適ではなく、全体として一貫性があるか、ストーリーとして成立するかを意識しました。
――２次試験の勉強で特に苦労したエピソードがあれば教えてください。
２次試験の中で、事例ⅠとⅢが苦手でした。
事例Ⅲは製造業の事例で、営業畑の私には馴染みがないため、イメージを持てずにいました。ただ、取り組むうちに、課題と解決策に一定のパターンがあることが見えてきましたので、それらを自分で整理してまとめたことで苦手を克服できました。事例Ⅰも苦手で、特に苦手だったのが2020年度の過去問題でした。気づいたら40回以上も解いていました。そんなに解いたら答えを覚えてしまいそうなのですが、解き直すと毎度新しい発見がありました。これはそういうことだったのかと。野球の千本ノックのようですが、何度も解き直すことで自分の中の納得感を高めることができました。
――受験テクニックの一例として、文房具の話題もあがりますが、喜多さんはいかがでしたか。
試験直前まで試行を繰り返しました。多色ボールペンを使う受験生が多いと聞いて、自分でも試してみましたが、試験１週間前の時点で、結局シャーペン１本とマーカー１個と青いボールペン１個に変えました。ボールペンを持ち替える時間があるなら、それを考える時間にあてたい、と思いました。
――ギリギリまで試行錯誤を繰り返したのですね。
そうですね。何がベストなのかがわからないのもありますし、納得できるかを自問自答し続けましたね。
木内 義貴 取材の匠メンバー、中小企業診断士
三重県桑名市出身。愛知県在住。大学卒業後、自動車部品製造業に勤務。環境にやさしい車向けの車載組み込み機器の設計業務に従事。2021年度中小企業診断士試験合格。2022年５月登録。趣味はお笑い、鉄道旅、居酒屋巡り、カラオケ、AMラジオ。特技はドラム。好きな言葉は「一日生きることは、一日進歩することでありたい。」 日本経済活性化の一翼を担う、との思いを持ち日々研鑽中。
