【山崎貴彦さんインタビュー】1次試験一発合格からまさかの大苦戦。試験を通して気づかされた本当に大切なこと

【山崎貴彦さんインタビュー】1次試験一発合格からまさかの大苦戦。試験を通して気づかされた本当に大切なこと

【第3回 メンタルの克服で2次試験を突破、そして将来へ】
過去の記事:第1回第2回

【山崎貴彦さんインタビュー】

第3回は、大変苦労された末に2次試験に合格された山崎貴彦さんに、試験合格の決め手や将来の展望、これから試験を受験する方へのメッセージをおうかがいしました。

オンラインコミュニティ参加でメンタル面を克服

――2次試験で2年連続あと「5点」足りない、ということは大変悔しい思いだったでしょう。一体どのようにして、ご自身のメンタル面の課題を克服なさったのでしょうか?

実は私、プレッシャーに弱いことを2次試験の受験を通じて、改めて気づかされたんです。得意な科目に対してはそれが逆効果になったりして、「絶対いい点数を取らなきゃいけない」っていうような追い込まれた状況にもなっていました。その結果、普段自分が持っているパフォーマンスを出せていなかったのです。いかに自分自身をフラットな心理状態にして試験に臨めるか、が肝だと感じて、診断士試験の受験生が集うオンラインコミュニティに参加することに決めました。

――そのオンラインコミュニティについて、詳しく教えてください。

私、地方ゆえに一人で勉強してきたのですけど、インターネットで調べていくと、「ココスタ」というオンラインの勉強会があったのです。受験生支援のコミュニティになっており、ほかの参加者から意見などをいただくことで、自分の精神的な弱さを補えればと思いました。そこで毎週勉強会が開かれますが、私の解答に対して「ここが足りてないよ」とか、逆に私がほかの方に指摘をしていったりしました。参加を通して、皆多かれ少なかれ似たような悩みや問題を抱えていて、「自分だけが苦しいのではない」とわかりました。

――精神的に強くなられたことが結果につながったのですね。

コロナ禍で2020年の試験は受験を延期して、2021年に受けた4回目の2次試験で合格できました。自分にとって一番大切だったことは、結局心の持ち方だったと思っているんです。もう何も結果とか気にせず、「どうなってもいいや」 という精神状態で受験したことが功を奏しました。 

診断士試験によって人は成長できる

――苦労してお取りになられた資格を活用して、今後の展望や夢があればお聞きしたいです。

私が思い描いている短期的な目標は、自分の専門領域を確立することです。具体的には、組織・人事の領域に関心が強いので、ターゲットにしていきたいと思います。前職の経験も多少なり、活かせるところもありますし。一つ専門領域を確立したうえで、それと共に業種の面でも専門分野を作っていきたいです。15年間、農業分野で働いてきましたので、農業の専門的知識を磨いていきたいと考えています。

長期的には、私の地元の群馬県で中小企業診断士をもっと少し盛り上げていきたいというのが、将来的な展望なのです。診断士資格の認知度を、例えば弁護士と同じくらいに高めていけることが、私のゴールというか目指すべきところです。

――すてきな夢をお持ちですね。最後にこれから診断士試験を受験する方へのメッセージをお願いいたします。

私のような多年度生の方は、本当にいつ花が咲くかわからない、「ゴールの見えないマラソン」を走っているようなイメージだと思います。本当に不安もあるでしょうし、プレッシャーものしかかってくるはずです。ですが、そういった経験が診断士試験の合格だけでなく、絶対にどこかで活きてくる、とつくづく思うんですよね。例えば、3~4年間をその一つの目的のために勉強したことは、自分自身で言えば人生の大きな財産であり、人間的な成長に確実につながったと感じています。 今は結果として見えてこなくても、「必ず何かにつながっているんだ」ということを多年度生で苦労されている方に、一つの考えとしてお伝えしたいです。




H.S.

H.S. 取材の匠メンバー、中小企業診断士
新潟県出身。大学院理工学研究科を修了後、2003年に電子機器メーカーに入社。電子機器構成部品の材料開発業務を約5年経験し、転職。現在は輸送用機器メーカーに所属。次世代商品向け要素技術の研究開発担当を経て、組織内部の管理系業務や将来戦略検討を担っている。リスキリングのため、大学院経営学研究科を2022年に修了(MBA取得)。同年、中小企業診断士登録。ほかに修士(工学)など。

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