【第3回 理論重視の解答でAAAA合格。そして合格後に思うこと】
過去の記事:第1回、第2回

2016年に飲料メーカーに入社し、現在はビール工場の技術者として活躍している赤宗行三さん。2年間の学習で診断士資格を取得するまでのストーリーを、3回シリーズでお届けします。第3回は、2次試験合格後から現在までのお話と、受験生に向けたアドバイスをうかがいました。
予想外の合格。喜びを伝えた相手は
――試験後の手応えはいかがでしたか。
落ちたと思って、忘れ去ろうとしていました。2年目の受験の時くらいに結婚しまして、妻に「もう落ちたわ」って…。そういえば、2次試験の後に、落ち込んだ気持ちでブライダル・リングを買いに行きましたね。
――複雑な心境ですね…。試験結果はいかがでしたか。
結果はAAAAで合格でした。落ちたと思って忘れ去ろうとしていたので、口述試験までに思い出すのが大変でした。マインドとしては本当にラッキーという気持ちでしたので、切り替えはすぐできましたが、思い出すのは大変でした。
――合格した喜びはどなたに伝えましたか?
妻です。むちゃくちゃ喜んでくれました。
1次試験のバックボーンを活かして理論重視の解答へシフト
――1年目は事例Ⅱで失敗ということでした。2年目の得点はいかがでしたか。
事例Ⅱは81点取れました。1年目は40点台だったので、一番点数が伸びました。
――1次試験と同様「時間対効果」の結果だったのですね。2次試験は自分の手応えと点数が一致しない試験とうかがいます。ご自身はいかがでしたか?
まさしくそんな感じでしたね。1年目はまぁ受かるかな、という手応えで、再現答案を作って予備校に送りました。各校から「合格」という結果が返ってきたのです。でも落ちたんですよ。2年目は落ちたなと思って送りませんでした。そしたら全部Aでした。採点基準は、採点者と予備校でも結構違うと感じました。
――「落ちたと思った」理由は、どのようなところにあったのでしょうか。
中には何を解答したらいいのかよくわからない問題もあって…。その時に自信をもって書ききれない問題が各事例であったのです。それが理由ですね。
――2度目の2次試験に向けて、どのように軌道修正したのでしょうか。
1次試験のバックボーンが盛り込まれていれば点数をもらえるのかなと思いながら、そういう方向にシフトしました。解答は何パターンもあって、理論的に正しいことを書けていればいいのかな、と。結果を見てみんなが書く解答というよりも、しっかりと話がつながっていることを書ければ、採点官は点数を取ってくれるのかなと思いました。
自分自身を「確かめにいく」ステージ
――資格を取得して、変化を感じていることありますか。
社外の人と話す機会が増えてきて、外に目を向ける機会ができることは良かったと思っています。受験したきっかけも、飲料会社の技術員は見られる世界が小さいなというところがあったので、そこでいろいろな業界の人の情報に触れることができるようになったのが、自分のポジティブな変化かなと思っています。それをきっかけに、社外でも何か活動していきたいなと思えるようになった、そういう自分のモチベーションの向け方が良かったところでした。
――今後はどのように活動していきたいですか?
まだわからないので、今は「固める段階」だと思っています。なのでまずはいろいろなところに顔を出して、どういう活動が自分にできるのか、「確かめにいくステージ」かなと思っています。
診断士資格は自分を変えられるきっかけ
――最後に赤宗さんから、これから資格を検討している方や、受験生の方へ向けたアドバイスをお願いします。
受験って、やはり仕事も忙しい中で時間を使いますし、難易度の高い中小企業診断士という資格に向かうことは大変だと思います。しかしその受験が終わった後に、受験を通して得られる仲間、受験後に得られる仲間、その後の勉強会など、世界が広がると思っています。いま受験は大変だと思うのですが、その先に自分が変われるきっかけがしっかり用意されている、もしくはきっかけになるようなことが増えてくる資格だと思います。自分の今後の人生を考えた時に、将来の自分を思い描きながら、ぜひ受験勉強を頑張ってください。

高橋 良介 取材の匠メンバー、中小企業診断士
2005年に国際物流の企業に入社。現在は専門商社で船積み業務に従事する。このままの自分ではまずいという危機感から中小企業診断士を目指し、2022年に診断士登録。埼玉県中小企業診断協会に所属。キャリアに散々悩んだ経験からキャリアコンサルタント資格を取得し、中小企業診断士と同時に研鑽中。