【池崎良徳さんインタビュー】独学と勉強会活用のハイブリッド勉強法 諦めない試行錯誤の14年間

【池崎良徳さんインタビュー】独学と勉強会活用のハイブリッド勉強法 諦めない試行錯誤の14年間

【第3回 中小企業診断士としての専門分野をつくりたい】
過去の記事:第1回第2回

【池崎良徳さんインタビュー】

家業と現職の会社を通じて、一貫して中小企業の経営と実務に携わってきた池崎さん。ご家族の支えもあり、諦めずにやり遂げた14年間の勉強の末、見事合格の花を咲かせました。最終回は、受験時代の振り返りと、池崎さんの次なる挑戦について語っていただきました。

成功体験が気持ちを前向きにしてくれた

――過去の受験歴を振り返って、こうしたらもっと早く合格できたなということはありますか?

1次試験に関しては、早い時期から勉強方法を確立することでしたね。中小企業診断士の試験を受けると決めたときに、試験全容のことをあまり把握してなかったんですよね。そこを把握したうえで、苦手科目を体系的に学べる勉強方法を早くから取り入れていたら、半分以下の時間に短縮できたんじゃないかなと思います。2次試験に関しては、自分がつくり上げてきたことが精一杯だと思っています。欲を言えば、得意科目である事例Ⅳで、どんな問題でも対応できる応用力を身につけるために、様々なケースの問題を解いておくべきだったと思いますね。

――資格の勉強を通して、今の仕事で役立ったと思うことはありますか?

特に役に立ったのは事例Ⅲと運営管理です。もともと経験が全くなかった分野でしたが、今では商品部部長として工場担当者ともやりあえているので、培ったものは大きかったです。教科書の言葉を自分の言葉にして伝えることで、会話が成り立つんです。

――プライベートでの変化はありましたか?

難易度の高い試験に受かったのが初めてだったので、一つの成功体験を得ることができました。今はそれが自分の自信やバッグボーンになっています。そして、心に余裕ができましたね。やればできることを学びましたので、チャレンジ精神が生まれてくるんですよ。最初から無理と決めつけるのではなく、とにかくやってみようという前向きな気持ちになれました。

専門分野を磨くため、次なる挑戦へ

――新たに挑戦しようとしていることを教えてください。

先輩の中小企業診断士に「中小企業診断士として活動する時に何か強みを持て」と言われたんですね。僕は中小企業で育ったという強みがありますが、専門分野がないんですよね。もともと、企業再生やM&Aに興味があったので、その分野に特化したいと思い、ターンアラウンドマネージャーという企業再生の資格の勉強を始めているところです。

――企業再生に興味を持ったきっかけは何でしょう?

もともと、僕は業界の将来性を悲観して会社をたたんだ経緯があるので、企業の栄枯盛衰を見てきているんですね。自分の個性を把握したうえで、これなら役に立てるかなと思いました。これからは、自分ができることを社会に還元して、今の会社も良くしていきたいと考えています。

受験生への応援メッセージ

――中小企業診断士を目指す方にアドバイスをお願いします。

専門学校などの勉強方法を基本とするか、独学で勉強するのかは人それぞれだと思うんですね。僕の場合は基本独学で、自分のイメージを基にして勉強してきましたが、過去に経営の経験があるという背景や、中小企業のことをよく知っているという強みがあるからだと思っています。ある組織の部署で、何かに特化して働いているような人の場合は、何かを基本とされた方が試験の全容は把握しやすいかも知れませんね。

――最後に、14年間戦ってきた池崎さんだからこそいえる、合格できずに悩んでいる多年度生に向けに、エールをお願いします。

一言で言うと「諦めるな」です。やっている限り、僕のように必ず何か転機があるので、声を大にして言いたいです。絶対に諦めたらいかん。




則武 卓磨

則武 卓磨 取材の匠メンバー、中小企業診断士
愛知県出身で、現在は東京都在住。名古屋大学大学院工学研究科(修士)を修了後、IT企業にシステムエンジニアとして入社。プロジェクトリーダーとして、システム開発業務や業務改善、チームマネジメントに従事。自己研鑽の延長線上で2023年に中小企業診断士を取得。若手起業家の創業支援をはじめとして診断士活動を開始。

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