【岩水宏至さんインタビュー】転機に決意が映える診断士挑戦記~ビジネスの架け橋へ

【岩水宏至さんインタビュー】転機に決意が映える診断士挑戦記~ビジネスの架け橋へ

【第3回 2次試験合格後、独立中小企業診断士として挑戦の日々】
過去の記事:第1回第2回

第2回では、岩水さんが独学で中小企業診断士試験に挑戦し、2次試験に合格するまでの過程を紹介しました。今回は、合格後から現在までの姿をお伝えします。

退職そして2次試験合格・中小企業診断士登録

2次試験に通るつもりで、試験合格通知が届く前に退職届を会社に提出したが、手ごたえのなさに不安を感じていた。もし不合格だった場合には、養成課程に進むことを考えていた。しかし、年明けに合格通知が届き、「まぁまぁ良かったという感じです」と岩水さんは振り返る。既に彼はどのような結果でも前に進む覚悟をしていた。

合格後、彼は中小企業診断士としての実務補習に参加し、初めて財務諸表などの生のデータに触れ、理論と現実の違いを体感した。実務補習での経験は、実際のコンサルティング業務への良い準備となり、期待にほぼ一致する形で進んだ。実務経験を通じて、企業の財務状況や運営の現実を深く理解することができた。試験で学んだ知識が現実にどのように適用されるかを見極め、さらにスキルを磨くことができた。この経験は、独立してコンサルティング業務を行う上で非常に貴重なものとなった。

中小企業診断士としての登録を済ませた彼は、すぐに開業届を出し、コンサルティング業務を開始した。彼は、自分の専門性を生かしたコンサルティングに専念したいと考えている。補助金申請業務は納得できる形で行い、補助金に依存せず、企業の長期的な発展を支援する。こういった信念に基づいたコンサルティングを理想に掲げている。

プロコン塾での挑戦

彼は中小企業診断士としての活動を始めると同時に、プロフェッショナルな成長を目指して積極的にコミュニティに参加した。その一環として、プロコン塾に参加し、厳しい環境での実践的な訓練を受けた。プロコン塾では、実際のコンサルティング現場を想定した模擬講演の準備や、短期間での企画書作成など、プロのコンサルタントとしてのスキルを磨くためのトレーニングが行われた。彼はこの経験を通じて、自身のスキルをさらに高め、多くの社会経験を持つ同世代の仲間とともに成長を遂げた。

プロコン塾での訓練は、単なる知識の習得に留まらず、実際のビジネスシーンで直面する課題に対する即応能力を養うものであった。例えば、1週間以内に企画書を提出するというタイトなスケジュールの中で、質の高い提案を作成するスキルが求められた。これは、実務経験の豊富なコンサルタントにとっても決して容易なことではなく、彼にとって大きな挑戦であったが、その経験を通じて得た知見とスキルは、現在の業務に大いに役立っている。

中小企業診断士としての苦労と喜び

彼は自分自身のスキルを磨く機会を得た。しかし、その過程で感じたのは、中小企業診断士として独り立ちするためには、単なる知識の蓄積だけでは不十分であり、実際に企業と向き合い、現場での経験を積むことの重要性であった。顧客から感謝の言葉を受け取るたびに、その努力が報われる瞬間を感じると同時に、さらなる成長への意欲が湧いてくるのである。

彼のクライアントは製造業を中心に、サービス業や小売業など多岐にわたる。これは、彼が各業種特有の課題に対しても柔軟に対応できる能力を持っていることを示している。例えば、製造業では生産効率の向上やコスト削減、サービス業では顧客満足度の向上や新サービスの開発支援、小売業では店舗運営の効率化や在庫管理の改善など、各分野での専門知識を活かしてクライアントの課題解決に貢献している。これらの経験を通じて、彼のスキルセットはますます豊かになり、多くの企業から信頼を得ていくだろう。

将来の展望と志向

今後、彼は海外展開の支援にも力を入れていきたいと考えている。特に中国市場への展開を視野に入れており、文化の違いや市場の特性に苦労している企業をサポートしたいとの意向を示している。過去に北京で企業の立て直しに関わった経験を活かし、国際的なビジネスの架け橋となることを目指している。

彼が中国市場に注目する理由は、彼自身が過去に中国でのビジネス経験を持っているからである。北京での駐在期間中、現地企業との協力や競争を通じて、中国市場のダイナミズムと独自のビジネス文化を深く理解する機会を得た。これらの経験は、彼にとって貴重な資産であり、今後のコンサルティング活動において大いに活用されることだろう。彼は、日本企業が中国市場で成功するための具体的な戦略を提供し、その実現をサポートすることで、両国間のビジネスの架け橋となることを目指している。








保科 彰治

保科 彰治 取材の匠メンバー、中小企業診断士
ITシステム開発の技術者。エンベデッドシステムスペシャリスト。印刷業、食品EC、飲食業の経営支援経験あり。音声・画像処理、プリンター関連のソフトウェア開発・製品サポートに豊富な経験を持つ。趣味は体を動かし、その動きを探求すること。

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